シンクライアント技術を地域医療連携にも応用――鳥取大学病院のIT化事例ガートナーイベントリポート(前編)

ガートナージャパンが2012年4月に開催したイベントで、医療ITを推進するキーパーソンである近藤博史氏がシンクライアント技術を活用した病院情報システム、地域医療連携ネットワークの構築事例を紹介した。

2012年05月23日 09時00分 公開
[翁長 潤,TechTargetジャパン]

 ガートナージャパンが4月26、27日に開催した「ITインフラストラクチャ&データセンター サミット 2012」。鳥取大学 医学部附属病院 医療情報部長 総合メディア基盤センター 米子サブセンター長 近藤博史氏が4月27日のゲスト基調講演に登壇した。「未来を創る!! 医療IT化の道のりと将来」と題したこの講演では、同氏がこれまで取り組んできたIT化事例や医療ITの将来像などが語られた。今回から2回にわたり、その主な内容を紹介する。本稿では、シンクライアント技術を導入した鳥取大学病院のHIS(病院情報システム)、鳥取県の地域医療連携ネットワーク「おしどりネット」などの事例を取り上げる。

さまざまな医療IT化を推進

photo 鳥取大学の近藤氏

 放射線科医でもある近藤氏は、大阪大学病院で日本初のRIS(放射線科情報システム)/PACS(医用画像管理システム)の開発・導入を担当。また、徳島大学病院では衛星利用大学病院間ハイビジョン講義システムの導入や経済産業省の「四国4県電子カルテネットワーク連携プロジェクト」事業などに参画した。2001年から在籍中の鳥取大学では、国立大学病院として初となる電子カルテシステムの全面稼働(2003年)を実現し、2004年から大学全体のCIO補佐として米子、鳥取両キャンパスのネットワーク基盤の整備や情報系システムなどを統括。その後、衛星利用在宅医療・災害時医療支援システムの開発(2007年)、電子カルテ基盤へのシンクライアント技術の全面導入(2008年)、地域医療連携システム(2009年)の構築などを進めてきた。現在、2012年度の地域医療再生基金を活用し、患者の名寄せサーバを中心とするネットワークシステムの構築に取り組んでいる。

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