さまざまな種類の情報システムが活用されている医療分野だが、他の分野と比べてIT化が10年遅れているともいわれる。医療機関がより良い方法でIT化を進めるにはどうすればいいのか?
本連載では、医療のIT化に現場で取り組んでいるキーパーソンをインタビューし、その活動や現状の課題、IT化を進める上でのポイントなどを紹介する。今回は「独立行政法人 国立成育医療研究センター」(東京都世田谷区)の山野辺 裕二氏(国立成育医療研究センター病院 医療情報室長 国立成育医療研究センター 企画経営部 研究医療課 情報管理室長併任)にこれまでの取り組みや今後目指しているシステム像などを伺った。
国立大蔵病院と国立小児病院を2002年3月に統合し、厚生労働省の施設機関である6つの国立高度専門医療センターの1つとして開院した国立成育医療研究センター。病院と研究所が一体となり「児童が健やかに生まれ、成育するために、特に治療を要する疾患に関する高度かつ専門的な医療を向上」させることを目的に設立された。2010年4月の独立行政法人化に伴い、新たに臨床研究センターが併設され、健全な次世代を育成するための医療と研究を推進している。
国立成育医療研究センター病院は、病床数が490床、1日の平均外来患者数が1000人。開院当初からペーパレス化を推進し、富士通の電子カルテシステム「HOPE/EGMAIN-EX」を中心に、GE横河メディカルシステム(現 GEヘルスケア・ジャパン)のPACS(医用画像管理システム)や各部門システムなどと連携し、医事やカルテ、薬歴などの医療情報を長期診療データベース(DB)に蓄積する第1期病院情報システム(HIS)を運用してきた。
また、HISとグループウェアなどをインターネットに接続。さらに、全てのベッドにタッチパネル画面やバーコードリーダが設置され、入院患者は食事選択や経過表、診療スケジュールなどの情報参照や入力ができる。医療従事者は経過表や検査結果、画像の参照、処方や食事などのバーコード対応が可能になるなど、IT化による情報収集やコミュニケーションを推進してきた。
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