相次ぐ病院の閉鎖が問題視される中、医療機関の経営効率向上を目的としたシステム導入が増えている。今回は、そうした医療機関の経営に役立つITの活用について考えてみる。
現在、自治体病院の閉鎖や看護師の確保、救急医療の崩壊など、医療機関の経営の深刻さを伝える報道が後を絶たない。人の生命にかかわる医療分野では、その経営に関して利益のみを追求するわけにはいかない。過度に利益を追求すれば、医療の質に影響をもたらし、経営効率をも犠牲にする恐れがある。しかし、地域の医療機関が閉鎖されれば、不利益を被るのはその地域で暮らす住民だ。
多くの医療機関において、電子カルテシステムの導入によって診療情報の蓄積が進んできた。しかし、経営の意思決定に役立つようなデータの活用が十分にできていないという問題は、ほとんどの医療機関でいまだ解決されていないといえる。特に、部門ごとにさまざまなシステムが乱立するような診療情報システムでは、必要なデータの抽出すら難しいこともあり、その点に頭を抱えている医療機関の方も多いであろう。
医療機関に限らず「IT化で組織内に情報があふれているのに、経営に対するインサイトが足りない」と悩んでいる企業のトップは多い。また、経営者の多くが「意志決定の不適切な原因は情報活用の不十分さにあると認識しており、直感的に意志決定を下している」といわれている。そのような状況の中、基幹システムを補完・強化する形でBI(ビジネスインテリジェンス)ソリューションの導入が進んでいる。また、先進的な医療機関での取り組みもメディアで多く紹介されるようになった。
白十字会、医療の質向上と効率化のためにBIシステムを活用(TechTargetジャパン)
医療現場の視点で開発したナレッジベース――新日鐵広畑病院 平松医師の取り組み(ITmedia Enterprise)
聖路加国際病院、電子カルテ情報の蓄積・抽出にDWH用DB「Sybase IQ」を採用(TechTargetジャパン)
医療機関の経営に役立つITの活用法とは、一体どのようなものであろうか。今回は医療機関におけるBIソリューションの導入メリットを考えてみる。
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