3階層構成でコストも削減
女性向けWebサイトが実践したストレージ効率化のちょっとしたコツ
月間1000万ユーザーがアクセスする女性向けの健康情報提供Webサイトは、SSDを採用した新しいストレージ構成によってサイト訪問者の待ち時間を20ミリ秒短縮し、分析処理でおよそ70%の高速化を実現した。
分析処理でおよそ70%の高速化を実現
女性向け健康情報を提供するWebサイトを運営する米Lifescript.comは、米Hewlett-Packard(HP)の3PAR製品のハイブリッドSSD(ソリッドステートドライブ)ストレージアレイをアップグレードして大きな成果を挙げている。
3PARストレージシステムを5年ほど利用しているLifescriptは2012年1月、新しい100Tバイトの「HP P10000 3PAR」ストレージシステムとともに、8TバイトのSSDを購入した。
Lifescriptの共同創立者でCTOのジャック・ホーガン氏によると、3PARのハイブリッドSSDアレイは、BI(ビジネスインテリジェンス)プラットフォームへの新たな展開と10倍にも拡大したオンライントラフィックに対応するために、データセンターのアップグレードの一環として導入したという。
月間1000万人のユーザーがアクセスし、毎日数百万人の登録ユーザーに6種類のニュースレターメールを送信するWebサイトのサポートに「新しいアレイは不可欠だった」とホーガン氏は語る。同氏が管理するIT環境は、膨大なデータベースと分析処理が必要だ。主要アプリケーションは、Microsoft Exchange ServerとMicrosoft SQL Server Analysis Services(SSAS)である。
Lifescriptの収益源は、オンライン広告とWebページやニュースレターからのリードジェネレーションだ。ホーガン氏によると、Webサイトへのアクセスや分析リポートの実行が遅れると、収益に悪影響が及ぶという。Lifescriptは、米WebMDや米Everyday Healthなどの類似サイトと激しく競合しているからだ。
新しいハイブリッドSSDアレイは、導入初日に分析処理でおよそ70%の高速化を実現した。このスピードアップにより、分析リポートをオンタイムで実行することが可能になったという。また、サイト訪問者の待ち時間も20ミリ秒短縮し、大量のニュースレターの送信を妨げずにExchange Serverを実行できるようにもなった。
「われわれは8TバイトのSSDを手にしたにすぎない。決して大規模なものではない」とホーガン氏。「当サイトは1日に2500万通の電子メールを送信している。これは短時間に発生する大きな負荷だ。I/Oが高いデータはキャッシュされ(ウォームキャッシュ)、最終的にはデータは下位層へプッシュダウンされていく」
Lifescriptの3PARは、SSD、ファイバーチャネル(FC)ドライブ、そしてニアラインSATAドライブの3つの階層から構成される。「最上位にSSDを追加すれば、第3層のストレージをより多く使えることでコスト削減になる」とホーガン氏は説明する。同氏によると、自動階層化ソフトウェア「3PAR Adaptive Optimization」のおかげで、SSD導入の効果を最大限に生かせるようになったという。
「Adaptive Optimizationを利用すれば、SSDを高速バッファとして利用でき、データを自動的に適切な層にプッシュダウンできる。データはSSDからFC、最終的にニアラインストレージへ向かう」と同氏。「現在は恐らくFCにオーバープロビジョニング気味だ。今後はより安価なSATAドライブを購入することになるだろう」
Lifescriptは、HPが3PARを買収する前の2007年に「EMC CLARiiON SAN」から3PAR S400ストレージに切り替えた。ホーガン氏によると、切り替えた理由は「管理が容易だと思えた」からだ。実際、S400ではEMCのストレージよりプロビジョニングとスケールアウトが迅速に行えるようになった(関連記事:徹底比較! 主要8社のハイエンド向けストレージ製品)。
「サイトへのトラフィックが増加したため、追加のWebサーバを迅速に準備する必要があった」と同氏。「バックエンドに3PAR、フロントエンドにVMwareを利用して、一晩でWebサーバの構成 規模を4倍にすることができた」
ホーガン氏によると、3PARの管理機能を利用すれば、Lifescriptの仮想マシンのエンジニアはSAN上にストレージをプロビジョニングできるという。「当社のエンジニアなら、短期間にストレージアレイを学び、仮想環境でどのように機能するか理解することができる。彼らは仮想LUNとストレージグループを構築し、それを直ちに提供してくれる」
3PARはシンプロビジョニングのパイオニアだが、同氏 のシステムではシンプロビジョニングをほとんど利用していないという(関連記事:ストレージの無駄を省くシンプロビジョニング)。
「フロントエンドのVMwareでシンプロビジョニングのさまざまなメリットを得られるが、全ての場所で利用するわけではない」とホーガン氏は語る。「適切な量のストレージをプロビジョニングし、分割する方が効率的なケースもあるからだ。いずれにしても、ボタンをクリックするだけで、新しいLUN(論理ボリューム番号)を切り分け、新しいストレージグループを作成できる。CLARiiONの場合、適切なドライブにストライピングしているか、適切なLUNを作成しているか、メタLUNをマージしているかなどを確認するのに、数日ないし数週間かかっていた」
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