大容量のストレージを導入しても、利用率が低ければ無駄な投資になる。ストレージ容量の利用率を高める具体的な方法を解説する。
ストレージの利用効率を向上させるのは難しい。あるサーバではストレージ容量が不足しているのに、別のサーバでは大量に余っているといった状況に直面している企業もあるだろう。数年先に保存が必要になるデータ量を予測し、あらかじめ巨大なストレージ容量を確保するにしても、想定通りにデータが増えなければ無駄な投資になる。
既存のストレージ容量を効率的に利用したい――。こうしたニーズに応える技術が幾つか存在する。その概要を紹介しよう。
サーバ間でストレージ容量を動的に配分することで有効利用を実現するのが「ストレージ仮想化」だ。ストレージ仮想化は、複数のストレージを仮想的に統合し、1つの論理的なストレージプールを構築する。
ストレージをサーバごとに分割して個別に管理していると、各サーバでストレージ容量に過不足が発生しても、互いに融通し合うのが難しい。ストレージ仮想化でストレージ容量をプール化し、未使用の部分を共用化することで、ストレージ容量を無駄なく利用できるようになる。
ストレージ仮想化でストレージをプール化したとしても、必要以上のストレージ容量をサーバに割り当ててしまっては無駄が生じる。こうした状況を解消する技術が「シンプロビジョニング」である。
シンプロビジョニングは、サーバが利用する予定のストレージ容量を仮想的に割り当てる技術だ。実際に割り当てるのは書き込まれたデータの分だけなので、サーバ単位で発生する無駄がなくなりストレージの利用効率が向上する。割り当てるストレージ容量は必要に応じて増やすことができるので、データ量の推移が予測し難いシステムでも無駄に確保しておく必要がない。サーバを停止せずに、割り当てるストレージ容量を増やすことができるのも利点だ。
それぞれの製品の詳細については、TechTargetジャパンの関連記事を参照いただきたい。
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