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IFRS任意適用拡大を目指す経団連、事例集を公表
経団連の検討会が、IFRS適用に向けた課題や解決策を整理した文書を公表した。任意適用拡大を目指す経団連の姿勢が垣間見える。
日本経済団体連合会(経団連)は6月10日、IFRS(国際財務報告基準、国際会計基準)を任意適用している、または検討している企業がまとめた「IFRS任意適用に関する実務対応参考事例」を公表した。IFRSに対する各社の対応の他、各社がIFRSをどう考えているかが分かる資料。経団連は、今後IFRS任意適用企業が増えると予想される中で「各企業における今後の任意適用の検討に向けた参考」になるとしている。
参考事例をまとめたのは2012年8月に設立された「IFRS実務対応検討会」。参考事例は以下の4つのパートに分かれる。
- IFRS適用の意義と課題
- 有形固定資産の減価償却方法及び耐用年数
- 開発費の資産計上
- 連結の範囲・決算報告期間の統一
最初のIFRS適用の意義と課題では、検討会参加企業の考えが示されている。IFRS適用の意義としては、競合他社との比較可能性の向上や国際的な資本市場における資金調達への寄与を上げる声が多かった。また、国際的にはマイナーな日本基準を使い続けるリスクなども指摘。さらに既にIFRSを任意適用した参加企業からは「導入前後において大きな混乱はなく、投資家からも好意的な反応を受け、導入当初としては一定の効果が得られたとの意見があった」という。
IFRSを適用する場合、開示だけではなく内部管理にもIFRSを活用し、業務効率化に役立てるとの意見があった。また、会計基準統一による財務情報の品質向上やガバナンス強化などもメリットに挙がった。
一方、IFRS適用の課題としては、経常利益に代わる経営管理指標の検討や、「その他の包括利益」のノンリサイクリングに伴う当期純利益概念の変化などが挙がった。開示項目が多くなることや、国際会計基準審議会(IASB)が基準を審議中で内容が定まっていないこと、日本基準との二重処理の発生などについても指摘があった。
参考事例では「IFRS適用の意義と課題」のまとめとして、検討会参加企業は「IFRS適用のベネフィットがコストを上回ると捉えている」と指摘。ただ、「各社ともマネジメントとして疑問を抱かざるを得ない幾つかの基準の存在や、開示内容の増大をはじめとする負担増などの課題を認識している」としている。その上でIFRSへの円滑な移行を行うためには、基準の改訂に向けたIASBへの意見発信や、金融商品取引法に基づく個別開示の簡素化が必要と指摘している。
残りの3つのパートでは固定資産の減価償却や開発費の資産計上など、IFRS適用の課題とされる項目について、各社の対応や対応方針が説明されている。
J-IFRSの創設も提言
経団連は同日、提言として「今後のわが国の企業会計制度に関する基本的考え方 ~国際会計基準の現状とわが国の対応~」も公表した。IFRS任意適用企業の拡大を目指す内容で、企業会計審議会などでの経団連のこれまでの主張をまとめた。以下が骨子。
- 今後とも日本基準、IFRS、米国基準からなる現行の枠組みを維持する
- IFRS任意適用の円滑な拡大に向けた施策(国内指針の作成、IFRS適用要件の緩和など)の実行
- IFRSの受け入れに関して企業会計基準委員会(ASBJ)を中核に基準ごとに可否を判断する(いわゆるカーブアウトIFRS、J-IFRSの創設)
- 現行のいわゆるピュアIFRSの適用は継続
- 金商法開示は連結ベースに一本化し、単体開示は会社法開示を活用するなど簡素化
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