ノーマークだった日本企業も要注意なIFRS「リース会計」【IFRS】あなたの知っているIFRSはもう古い【第5回】

日本基準との差異が小さかったはずのIFRSの「リース会計」が改訂される予定だ。大幅な改訂で日本企業が影響を受けるのは必至。注目の内容を解説する。

2013年06月06日 08時00分 公開
[野口 由美子,イージフ]

 IFRS(国際財務報告基準、国際会計基準)を日本企業が適用する際に問題となるトピックはさまざまであり、収益認識や固定資産の減価償却などは以前から日本でも注目されてきた。既に過去の記事で解説したように、これらのトピックは状況が大きく変わった今も重要性が高い。

 しかし、今回取り上げるリースについては特に注意を払っていない企業が多いのではないだろうか。なぜなら、現行のIFRSと日本基準ではコンバージェンスが進められた結果、大きな差異は解消されたからである。従来、日本基準とIFRSとの違いで最も問題になっていたのは、日本基準にあった「所有権移転外ファイナンス・リース」の取り扱いだった。既に日本基準でも所有権移転外ファイナンス・リースの規定は廃止され、リースについては特に問題がないと考えられてきたのである。

 ところが状況は大きく変わろうとしている。IFRSのリース基準書は改訂されることになっており、これまでの会計処理と大きく異なる内容が導入される予定である。解消されたはずの日本基準との差異がここでまた大きく広がろうとしているのである。

IASB念願のリース基準書改訂

 現在IASB(国際会計基準審議会)ではリース会計の新しい基準書を審議しており、新しい公開草案は2013年5月に公表された。公開草案後の新基準書の発効については未定であるが、現在のIFRSや日本基準とは全く違う会計処理に変更されることが決定されている。

ITmedia マーケティング新着記事

news047.png

【Googleが公式見解を発表】中古ドメインを絶対に使ってはいけない理由とは?
Googleが中古ドメインの不正利用を禁止を公式に発表しました。その理由や今後の対応につ...

news115.jpg

「TikTok禁止法案」に米大統領が署名 気になるこれからにまつわる5つの疑問
米連邦上院が、安全保障上の理由からTikTokの米国事業の売却を要求する法案を可決し、バ...

news077.jpg

「気候危機」に対する理解 日本は米国の3分の1
SDGsプロジェクトはTBWA HAKUHODOのマーケティング戦略組織である65dB TOKYOと共同で、「...