3000ユーザー分のエンドポイントをどう守る?
PCの新規購入なし、モバイル利用も安心――デスクトップ仮想化の効用
複雑なエンドポイント管理というパズルのピースはたくさんある。エンドポイント管理には、スイスアーミーナイフのように万能なアプローチは今のところ見つかっていない。
エンドポイント管理には、新しい製品、機能、プロセス、理性的なアプローチが、絶えることなく次々と登場している。米Novellでエンドポイントソリューション担当製品マネジャーを務めるジェイソン・ブラケット氏は、「エンドポイントをどう管理し、セキュリティをどう確保するかは、完全に、組織固有の一連の要因によって決まる」と話す。
デスクトップイメージの一元管理でセキュリティを担保
例えば、手始めにデスクトップ仮想化を導入し、デスクトップ層を抽象化してエンドポイントから切り離し、データセンターで一元管理を実現することでエンドポイントセキュリティを担保している組織は多い。カナダの病院、Sunrise Health Region(以下、Sunrise)では、2012年に3000ユーザー分の仮想デスクトップを導入した。臨床アプリケーションのログイン時間が改善された他、1つのデスクトップイメージを「ゴールドイメージ」として一斉適用することで、仮想デスクトップの一元管理に当たっている。
3500人の職員と約12万人の患者を抱える同病院において、サービス提供の指揮をとるIT担当ディレクターのシェランガ・ジャヤシンゲ氏は、「安全に印刷するための新しいプロセス、アプリケーションのシングルサインオン、素早く簡単なログインを可能にするスマートカードを導入した」と話す。
Sunrise病院は新しいPCを購入せずに済む体制を望んでいた。実際、この半年間はシンクライアント端末を使ってデスクトップアクセスを実現したことで、PCを新規購入していないという。また、タブレットやスマートフォンから職員が院内リソースへリモート/モバイルアクセスできるようにもしたかった。
同病院では、デスクトップ管理に取り組むに当たり、デバイスやアプリケーションだけに注目するのではなく、米CitrixのXenDesktop、米AppSenseのユーザープロファイル管理製品、そしてアプリケーション層の仮想化を実現する米Unideskの製品を組み合わせて利用している。また、職員が場所と時間を選ばずデスクトップにアクセスできる柔軟なIDベースの機能も採用した。
コストも時間もかかる仮想デスクトップインフラの確立
先のジャヤシンゲ氏によると、「インフラの改善により、アプリケーションシステムの負荷が軽減した。1日数時間だったワークステーションのログイン時間が、わずか5~10分に短縮された」という。また、デスクトップアクセスはスマートカードリーダーによって各ユーザーのIDに関連付けられているため、権限を持つユーザーしかログインできず、患者のプライバシー保護と医療記録のセキュリティ強化につながっている。
しかしほとんどの組織にとって、仮想デスクトップインフラの確立は、コストも時間もかかる可能性がある。これがデスクトップ仮想化の導入率が10~15%付近に停滞している理由の1つであることが、さまざまな調査から分かっている。
Sunrise病院のこの取り組みは5年計画で500万ドルのコストを見込んでいるが、この投資のリターンの多くは実際の金額で量ることができない。
「現時点では、先手を打って行動するのではなく、受け身で火消しに奔走している状態だ。デスクトップ仮想化の導入が完了すれば、状況は変わると思う」とジャヤシンゲ氏はコメントしている。
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