クラウド利用の責任分担が分かる、FISC対応リファレンスの見方特別寄稿:FISC対応リファレンスの仕掛け人が語る

ユーザー企業が安心安全にクラウドを導入するために有用なFISC対応セキュリティリファレンス。この仕掛け人が同リファレンスの読み解き方を解説する。ポイントは縦と横の2軸で理解することだ。

2013年09月19日 08時00分 公開
[渥美俊英,電通国際情報サービス]

 2013年9月12日、「金融機関向け『Amazon Web Services』対応セキュリティリファレンス」(以下、セキュリティリファレンス)についての解説記事「パブリッククラウドを安心安全に利用しよう、AWSの「FISC対応」リファレンスとは?」が掲載された。これを受けて本稿では、同リファレンスの読み解き方の詳細を解説する。筆者は同リファレンス策定のコアメンバーで、現在も改訂作業に積極的に関わっている。また、実際に金融機関でAWSを利用するプロジェクトで本リファレンスを活用する現場にも関与している。これらの経験を踏まえ、一般の方にも分かりやすい説明を試みる。

基本的な考え方

 基本的な知識については、前出の記事をご参照いただきたい。FISCとは何か、FISC安対基準とは何か、セキュリティリファレンスとの関係などの基礎的な点について、一通りの理解が得られるだろう。本稿ではこれらの知識を前提に解説を深めていく。

 重要なキーワードとして表の「縦」と「横」という語を用い、説明は「縦→横」の順序で行う。

図表1 縦と横《クリックで拡大》

FISC安対基準が示しているもの、いないもの

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