2017年04月25日 08時00分 UPDATE
特集/連載

Computer Weekly製品ガイド逆に難しい「非Windows」クライアント選び

デスクトップPCの全盛期以降、ITシステムにアクセスするための選択肢は急増した。組織にはバランスが取れた行動が求められる。

[Rob Bamforth,Computer Weekly]
Computer Weekly

 気付いていないかもしれないが、盛んにうわさされたPCの死が、少なくともある意味では現実に起こりつつある。

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 従来のデスクトップPCは、1人のユーザーのための処理能力、ストレージ、ユーザーインタフェース、OS、アプリケーションを全て1台に詰め込んだ、自己完結性の高い端末だった。

 やがてそれはネットワークに接続されるようになり、続いて持ち運べるように小型化されて、そこから興味深い展開が始まった。

 安定したユニバーサルなネットワークが出来上がると、物事を動かせるようになる。これは単なる端末やユーザーの移動性にとどまらない。ストレージ、演算能力、アプリなど、全ITシステムを構成するあらゆるパーツに当てはまる。それを仮想化して必要なときにネットワークを介して提供すれば、どこからでも簡単にアクセスして、管理やセキュリティ対策ができるようになる。

 デスクトップPCからノートPCに至るまで、端末全てに同じようなOSが搭載され、一律に管理できる安定性は存在しなくなった。今頼らなければならないのは、多様性を問わないネットワークと構造のコントロールだ。

ネットワークコンピューティング

 こうした多様性は過去にも存在していた。パーソナルコンピュータの複雑な機能の一部は、物理的なハードウェアの外観をあまり変化させずに取り除き、ネットワークを介してサーバに負担させることができる。1990年代、これは「ネットワークコンピューティング」と呼ばれた。

 ネットワーク経由で機能が提供される環境に多くがなじむまでにはもう少し時間がかかったが、現代では複数の形態で普及し、特にクラウドコンピューティングは機能も普及も進んでいる。

 フル機能を搭載したPCの「ファット」クライアントは、「シンクライアント」へと変化し、今や「ゼロクライアント」となった。長年のPC大手もこの変化を認識し、HPは分割で新設されたHP Incがシンクライアントを提供し、Dellは2012年にWyseを買収。ネットワーク大手のGoogleも「Chromebook」を提供している。

 運用基盤はもはや“disk operating system”でも、Windowsでさえもなくなり、ネットワーク経由でサービスに接続させる簡略化された多様な軽量ブートストラップになった。

 基本的な目標は、ITサービス(使用可能なアプリケーション)を中央からユーザーに提供することにある。モバイルへの欲求は多大だが、多くにとっては依然として、これはデスクトップPCのユーザーを意味する。

仮想インフラ

 使用できるアプリケーションをデスクトップに配信するための仮想インフラである仮想デスクトップインフラ(VDI)は、ネットワークコンピューティング初期のCitrix Systemsの技術にルーツがある。データセンターのサーバとストレージは中央で管理でき、最新のパッチを当て、適切に構成されたアプリケーションをクライアントに配信できる。不必要な機能をそぎ落としてコストを削減し、不要な接続を行わないことで脆弱(ぜいじゃく)性を排除することも可能だ。

 ユーザーの観点からは、どのデスクに座っても、どんな端末を使っても、自分に合わせた仕事環境が提供される。会社支給の端末や、私物端末の業務利用(BYOD)、PC、Mac、Linux、さらにはタブレットであっても、VDIを適切に構成すれば問題にはならないはずだ。

 ただし課題もあり、手を加えることも必要だ。ソフトウェアライセンス料はチェックする必要があり、ネットワーク帯域は必ずしも十分とは限らない。低速な2Mbpsで末端を使う家庭では問題になるかもしれない。しかも多くの従業員は、複雑なエンタープライズアプリケーションが混在する状態でアクセスしなければならない。VDI環境は、常勤のナレッジワーカーが必要とするときにいつでもアクセスできる「Microsoft Office」の提供において、最もうまく機能する。

 VMwareも、2008年のThinstallや2013年のDesktoneの買収などを通じて参入した。Citrixは「XenDesktop」や「XenApp」を通じてエンタープライズ顧客に照準を絞ってきた。一方で、VDIを1台に収めた製品を小規模企業向けに提供しようとしばらくの間試みたが、大きな突破口は開けなかった。この分野で豊富な経験と知識を持つCitrixが苦戦しているという事実は、中堅・中小企業(SME)よりも大企業の方がVDIを導入しやすいことを示している。

サービスとしてのデスクトップ

 だがこの状況は変わりつつあるかもしれない。

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