見過ごされがちな「自動化」の効果
灼熱オフィス解消だけではない、スマートビルがもたらす「自動化」の実力(1/2 ページ)
センサーデータを基に建物内の電力や施設を統合管理する「スマートビルシステム」。電力管理による省エネルギー化への期待が先行するが、メリットはそれだけではない。
インテリジェントなLED照明システムなど、センサーベースのスマートビルシステムが人気を集めている。スマートビルシステムというと、エネルギーと維持コストの削減効果が注目される傾向がある。一方でセンサーベースのシステムの利点である効率化と自動化の機能については見過ごされがちだ。
スマートビルシステムは、今まで施設の管理部が対処していた日常業務の多くを管理できる。例えば倉庫や職場の気温を自動で調整したり、部屋の占有状況に応じて照明を付けたり消したりする、時間を要する作業のことだ。施設の管理部は作業の効率化により、自社のより戦略的な活動に注力し、幾つかの重要な領域において新しいレベルの価値をもたらすことができるようになる。
本稿では、スマートビルシステムを活用して、従業員が仕事をスマートにこなす例を幾つか紹介する。
空間占有状況の追跡
スマートビルシステムの最も有用な利用方法の1つは、空間の占有状況を追跡して、日常業務を効率化することだ。企業は、人々が空間をどのように移動しているのか、または移動していないのかについての情報をスマートビルシステムに提供することで、さまざまなタスクを自動化できる。例えば誰かが特定のエリアに出入りした際に、照明や気温を調整するといった簡単なタスクから、何者かが立ち入り禁止区域に侵入した際、警告を発するセキュリティ監視など複雑なタスクまでが挙げられる。
空間の占有状況を追跡すると、企業は倉庫や工場の作業場全体にわたる人の出入りと、作業場の使用パターンに関する情報を得ることができる。スマートビルシステムでは、このような情報を細部にわたって収集可能だ。企業は作業場の使用パターンを把握することで、人員の配置や稼働計画を調整することが可能になる。
例えば製造工場内にある重要な機械にインテリジェントな照明システムを設置すれば、企業は機械の使用状況に関する情報を得ることができる。そのデータから、特定の勤務時間帯にはその機械を使用するために従業員が待ち行列を作っているのに、別の勤務時間帯ではほとんど使用されていないことが明らかになる可能性がある。
施設の管理部はこうしたデータを活用して、特定の職務における過剰な人員配置の可能性を把握したり、従業員が足止めを食らうような、最適とはいえないワークフローについての洞察を得たりすることが可能になる。管理部は、従業員が時間を無駄にすることがないように、情報に基づいて人材配置やワークフローを変更できるようになる。
設備のパフォーマンスと保守の追跡
工場や産業環境の現場では、作業者は、毎日一定の時間をかけて設備の稼働状況を確認し、手動で評価している。生産ラインがスムーズに稼働し、設備が動作不良に陥らないようにするためだ。スマートビルシステムは、こうした時間がかかる作業を引き継ぎ、自動でデータを収集、集計し、異常がある場合には警告を発することができる。
収集したデータは現場の効率化に役立つだけでない。施設の管理者と運用管理者に、施設の運用方法といった重要な決断を下すのに必要な時間とデータを提供する。設備に異常が起きる可能性が最も高いタイミングについて警告を発し、勤務時間外の予防策的なメンテナンス計画の立案も可能にする。
ある機械が何時間にもわたって稼働し続け、多くの従業員がその機械を使用するために並んでいるとしよう。この作業負荷に対処するために、管理者は非常に高価な機械が必要だと判断する可能性がある。もしくは高額な費用を払って修理し、最高のパフォーマンスを取り戻す必要があると判断する可能性もあるだろう。
ここで施設の管理部がスマートビルシステムを用いると、単に設備の使用方法が問題の原因だったことが認識できる。スマートビルシステムの情報を基に対策を施すことで、企業は数千ドルもの資金を節約できるだけでなく、効率的ではない作業と、設備の異常/故障による生産時間のロスを削減することが可能になる。
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