統合的なアプローチを
IoTセキュリティのチェックリスト、“エコシステム”をどう構築する?(1/2 ページ)
本当に安全なIoTを実現するには、IoTテクノロジー全体のセキュリティとバリューチェーンに対して統合的なアプローチを取る必要がある。
サイバーセキュリティの分野は、絶えず変化している。急激な進化を遂げているため、サイバー攻撃者とその防御側との間で、激しいデジタルの争いが繰り広げられている。
従来、サイバーセキュリティの脅威は、コンピュータウイルスに限られていた。脅威の背景にある動機はさまざまで、単に作成する能力があるという理由から屋根裏部屋でウイルスを記述するオタクや、他人のPCを乗っ取って金銭を得ようという悪意のあるユーザーが存在していた。
ところが、今日の脅威はずっと悪質になっている。ターゲットを絞り込んだマルウェア、ソーシャルエンジニアリング型マルウェア、フィッシング詐欺は、ユーザーのデータに対していたずらや窃盗を働いたり、身代金の要求を行ったり、単に破壊したりすることを目的としている。
さらに、こうした脅威はテクノロジーに急速に強くなっている組織の支援を受けている。そうした組織には、政府機関の関係者もあれば高度に組織化された犯罪組織もある。彼らによる年中無休の顧客サポートを受けることで、すぐに使用できる攻撃パッケージが手に入る。そして、テクノロジー嫌いな人や組織へのサイバー攻撃を仕掛けることができる。
サイバーセキュリティ脅威をさらに複雑化しているのが、モノのインターネット(IoT)だ。複雑さを増した脅威に対する防御を強化するため、世界中の企業がセキュリティに必要な人、サービススキル、構造、アプローチについて再評価を迫られるようになった。
セキュリティが確保されなかった場合にIoTがもたらす潜在的なリスクは、はっきりと認知されている。にもかかわらず、多くの企業では、革新と競争への熱意がリスクに対する懸念を上回っているように見える。彼らはリスクをものともせず、IoTテクノロジーの導入に取り組んでいる。
AT&Tが世界中の企業5000社以上を対象に最近実施した調査の結果をまとめた「AT&T Cybersecurity Insights Report(AT&Tによるサイバーセキュリティ洞察レポート)」によると、85%の企業がIoTデバイスの導入中または導入を予定していることが明らかになっている。一方で、ハッカーからデバイスを保護することに自信を持っている企業は10%にすぎない。
IoTセキュリティエコシステム
どの業界にもいえることだが、IoTのセキュリティに対して単独で責任を負えるベンダーはいない。さまざまな標準と仕様に基づいて生み出されているテクノロジーがあまりにも多すぎて、1つの企業が単独で総合的な解決策を提供するのは不可能だ。
では、企業はどうすればIoTのセキュリティを確保できるのだろうか。
数年前まで、ベンダーは個別に活動し、競争力を維持するために熱心に知的財産を保護してきた。しかし、すぐ明らかになったように、このアプローチは、ベンダーとエンドユーザー両者を潜在的なセキュリティ脅威にさらすことになった。そして、ベンダーはテクノロジー、エンドユーザー、ブランドの評判を守りながらバリューチェーンの中でIoTのセキュリティを確保するために、各社連携した取り組みが必要であることを理解するようになった。
つまり、ベンダーが、安全なIoTサービスを提供するには“村”全体が協力することが不可欠で、セキュリティエコシステムの他のプレイヤーと密接に協力して仕事を進める必要がある。そのためには、ベンダーは従来の仕事における障壁および他企業と連携しないやり方を捨て、シームレスかつ安全な接続エクスペリエンスを実現するために、密接な連携関係に移行しなければならなかった。
この“村”は、デバイスメーカーからネットワークサービスプロバイダーに至るまで、相互に依存するプレイヤーで構成されるエコシステムの形態を取る。プレイヤーは、セキュリティ開発において積極的に共同作業を行うことでセキュリティ機能を完成させ、基礎レベルで連携して、堅固なエンドツーエンドのIoTセキュリティ機能を提供している。
通常、IoTセキュリティエコシステムには、次のものが含まれる。
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