2018年05月25日 08時00分 公開
特集/連載

AIが履歴書をチェックして電話してくる仕事をお探しですか? ペプシコが導入した「電話面接までこなすAI」事例

ペプシコが導入したAI「Robot Vera」は、求職者の履歴書をスキャンして適格者に電話をかけ、面接まで行う。ペプシコの導入事例を詳しく紹介する。

[Bill Goodwin,Computer Weekly]

 年間10億ドル(約1100億円)以上の売り上げを計上する大手食品・飲料メーカーのPepsiCoは、ロシア法人で従業員に空きができた場合、候補者の絞り込みや面接に人工知能(AI)ソフトウェアを活用している。

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 同社は、ロシアの新興企業が開発した「Robot Vera」(以下「Vera」)技術を利用して求職者の電話面接を行い、募集中の職務に関する問い合わせにも答えている。

 ロボットリクルーターは、1500人の求職者と話す作業を9時間で済ませられる。人間の採用担当者が同じ作業を行ったとすると9週間はかかると、ロシアおよびCIS(独立国家共同体)地域担当のタレント獲得マネジャー、ナタリア・スンバエワ氏は話す。

 Veraは定型的で単調な作業から人事(HR)部門のスタッフを解放すると同氏は主張する。「HR部門のスタッフは、採用担当マネジャーへのサポートを充実させる、データベースを活用する、評価の精度を高める、研修の機会をより多く提供するなどの活動に多くの時間を割くことができる」

 PepsiCoは、高度な音声認識ソフトウェアを使って見込みがある候補者へ電話をかけるようにVeraをプログラムした。こうして、人材採用チームは他の仕事に取り組めるようになった。

 フォークリフトの運転手や工場の作業者などの選別と、営業担当者の採用活動にVeraが導入された。このソフトウェアは、求人サイトで履歴書を自動的にスキャンし、適格と判断した求職者に電話をかける。最大1万件の通話を同時に行うことができる。

 求職者には次のようなメッセージが音声で届けられる。「こんにちは。私はVeraです。実はロボットです。PepsiCoの一員として、メッセージをお伝えします。あなたは今、お仕事をお探しですか?」

 これに対して「はい」か「いいえ」で答えることで、興味を持った職種に空きがあるかどうかを確認できる。続いてVeraは、求職者に補足の質問を投げ掛けて、求職者が募集した職種にふさわしいかどうかを判断する。

 例えばVeraは、配達車両の運転手に応募してきた人々に対しては、必要な種類の運転免許証を所持しているか、運転手として以前働いた経験があるかどうかなどを尋ねるだろう。相手が適切な資格を持っていないと分かった場合、Veraは丁重に会話を終了させる。このソフトウェアはまた、求職者との会話の記録を文字で残し、人事部門の採用担当者に転送して、担当者が最終的な決断を下す支援を行う。

 さらにVeraは、求職者が興味を持った職務の詳細情報を求職者にメールで送信したり、面接の日時をリマインドするテキストメッセージを送信したりする。なお面接官は採用担当者(人間)のこともあるが、Veraが担当する場合もある。

 PepsiCoは、ポジションの空きがないかを問い合わせてくる求職者からの電話の応対にもVeraを使っている。

 同社はロシアの求人掲示板や新聞に人材募集の広告を出しているので、職務の内容や給与の詳細について求職者から電話がよくかかってくる。その種の電話の通話時間は1回当たり3〜5分だ。

 PepsiCoがVeraをプロジェクトで初めて起用したのは2017年のことだった。モスクワの約500キロ南方にあるロシア西部の町ボロネジにセールスサポートセンターを新設することになり、HR部門は2カ月で250人を新たに採用しなければならない状況に直面した。

 「リソースが限られていたので、テクノロジーの市場分析を始め、われわれに役立つテクノロジーを探し出した」と、スンバエワ氏は当時を振り返る。

 2017年の冬、同社は広範囲にわたる拠点のさまざまな職務の求職者に対して、Veraの試験運用を実施した。テストを重ねたのち、採用担当者は求職者に電話をかけて、ロボットが面接官だった場合、その面接で自信を持って話せたかどうかを尋ねた。

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