調査の結果、AI導入企業の90%はAIのメリットを引き出せていないという。さらに、彼らは多くの懸念を抱えていた。AIを活用するために解決しなければならない課題とは何か。
ある調査によると、人工知能(AI)を採用している企業は、2020年までに39%の収益増と37%のコスト削減を見込んでいるという。また64%の企業が、自社の成長はAIの大規模採用に懸かっていると考えている。
だが、このように肯定的な予測がなされているにもかかわらず、企業がAIによる好影響を見込むには、乗り越えるべきハードルが幾つかある。
市場調査会社Vanson BourneはITサプライヤーInfosysの依頼を受け、中国、オーストラリア、米国、インド、ドイツ、フランス、英国の1600社を対象に調査を実施した。その結果、AIを導入してそのメリットを全て引き出している企業は10%にすぎないことが明らかになった。AIで最も改善が必要な分野として、実装にかかる時間、使いやすさ、他のシステムやプラットフォームとの相互運用性が挙げられる。
回答企業がAI採用に関する懸念として挙げた他の項目には、データの安全性(43%)、雇用の安定(40%)、報酬率(30%)などがある。
倫理的問題を感じている企業も53%あった。支配権をAIに委ねる不安や、業界規制を満たせるのかどうかの懸念など、倫理的問題はAIの有効性を阻害しかねない。
AIに職を奪われた従業員をどうするかというのも、大きな倫理的問題の1つだ。
調査によると、従業員が行っていた仕事をAIに置き換えた企業の80%は、雇用を維持するために従業員の再配置や再教育を行っている。また、53%の企業が能力開発に投資している。
スイスのダボスで開催された世界経済フォーラムをにらんで発行されたレポートでは、AIの拡大について警告している。AI拡大のペースは速く、政府や民間企業が協力して問題に対処しない限り、新たな職業が生み出されるよりも速く、ホワイトカラーがこれまで行ってきた仕事が奪われることになるだろうというのがその主張だ。
Infosysの調査によれば、回答企業の3分の2がAIの倫理的問題を十分に考慮していないという。
日本の富国生命保険(フコク生命)は、給付金支払い査定部門で34人が行っていた仕事をIBMの「Watson」に置き換える計画を最近発表した。
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