2020年01月06日 08時00分 公開
特集/連載

Computer Weekly製品ガイドUberらの仕事割り当てアルゴリズムは公平・適切か

アルゴリズムによる仕事の割り当ては、従業員にとっても雇用主にとっても恩恵があるかもしれない。だが人材を尊重しながら公正に仕事を割り振ることはできるのか。

[SA Mathieson,Computer Weekly]
iStock.com/anyaberkut

 ライターのジェームズ・ブラッドワース氏は半年間に4つの会社で働いた。勤務先はAmazon.comの倉庫と在宅介護事業者、保険会社Admiralのコールセンター、そしてUberだった。

 Uberのタクシー運転手は契約して仕事を請け負う個人事業主で、従業員としての権利はない。それでもブラッドワース氏は、この形態で働くことで経験が豊かになり、運転手として働く時間と仕事を終えて執筆に充てる時間は自分でコントロールできると考えた。

 だがコントロールはできなかった。Uberの運転手はアプリを通じて仕事をもらう仕組みだが、このアプリは次の仕事のことや、所要時間あるいは目的地のことは何も教えてくれない。割り振られた仕事を受ける割合があまりに少ないと実質的に契約を打ち切られ、2〜3回続けて断れば一定期間アプリから締め出される。

ユーザーの評価

 ユーザーの評価が落ちると運転手は仕事がなくなるが、乗客の評価が低くなりがちな時間帯は料金が上がる。また、Uberがブラッドワース氏に運転を続けさせようと仕向けたこともあった。もう何時間も運転し続けていたにもかかわらず、もうすぐ一定量を獲得できると同氏に告げたのだ。

 「全体的に見て、それは特異な類いの自由だった」。同氏はこの体験を基に執筆した著書『Hired: six months undercover in low-wage Britain』(採用:低賃金の英国における6カ月の覆面労働)の中でそう総括している。

 仕事をアルゴリズムで割り当てるのは、本質的には悪いアイデアではない。英個人事業主組合傘下のUnited Private Hire Driversで議長を務めるジェームズ・ファラー氏は言う。同氏はUberを相手取り、運転手の権利を求めて共同で訴えを起こしている。

 従来型のタクシー会社に勤務する運転手の多くは、その特権のために手数料を支払っている(Uberは通常、20〜25%を受け取る)。だが管理者は親しい相手にのみ好条件の仕事を割り当て、テークアウト料理を取りに行くよう運転手に命じ、賄賂を要求することさえある。「運転手たちは単純にそうした業者を辞めたのではなく、Uberに駆け込んだ」とファラー氏は話す。

オフィスも上司もなし

 だが、同社のアルゴリズムは独特の問題を発生させる。Uberは運転手として採用する見込みがある相手に対して「オフィスも上司もなし」と告げ、「Uberではあなたが主役です」と誘いかける。だがこれは、アルゴリズムが仕事を割り振り、運転手の行動に影響力を行使する同社のやり方を反映していないとファラー氏は主張する。




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