「ゼロトラスト」丸分かり 比較、事例、解説記事を紹介

ユーザー企業のIT担当者を対象に、IT製品/サービスの導入・購買に役立つ情報を提供する無料の会員制メディア「TechTargetジャパン」。このコンテンツでは、ゼロトラストに関する事例、比較、解説の記事を紹介します。製品/サービス選定の参考にご覧ください(リンク先のページはPR記事を含みます)。

懐疑論者にゼロトラストの意義を納得させる方法

 ゼロトラストは、境界ベースのセキュリティ対策の負荷が増大する中で、それに対処する必要性を表現する用語として調査会社Forrester Researchが2010年に提唱した。ゼロトラストへの関心は高まりつつある。Forresterのアナリスト、ポール・マッケイ、チェース・カニンガム、エンザ・ラノンポロの3氏がまとめた報告書「How To Implement Zero Trust Security In Europe」(欧州でゼロトラストを実装する方法)によると、欧州の企業インフラに関する意思決定権者を対象に実施した調査では、パブリッククラウドを積極利用しているという回答が54%を占め、2016年の19%から急増していた。(続きはページの末尾にあります)

ゼロトラスト関連の比較

VPN代替を目指すGoogleの「BeyondCorp Enterprise」とは 「Chrome」で提供

Googleはゼロトラストセキュリティの新サービス「BeyondCorp Enterprise」を発表した。Chrome経由で利用できるという。具体的にどのようなサービスなのだろうか。

(2021/4/2)

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ゼロトラスト関連の事例

「セキュリティは楽しい」 戦力外の“地獄”を見た元プロサッカー選手の歓喜

英国の若手サッカー選手向けセキュリティ学習プログラム「Cyber Stars」の第1期生は2022年7月、修了式を迎えた。彼らは今後、どのように活躍するのか。受講生2人に、抱負を聞いた。

(2022/9/1)

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ゼロトラスト関連の製品解説

P RSASEはネットワークが複雑になりがち、シンプルに導入する方法はある?

社外のユーザーやデバイスの安全性を確保するセキュリティ手段としてSASEが注目されている。ただ、SASEの導入はネットワーク構成を複雑にしやすく、それで運用負荷が高まっては本末転倒だ。SASEをできるだけシンプルに導入する必要がある。

(2024/4/18)

P R企業経営の視点で考えるゼロトラストの必要性、実現で得られる効果とは?

企業経営とセキュリティ対策は切っても切れない関係だ。サイバー攻撃が高度化・巧妙化し、セキュリティ運用が複雑化する今、「ゼロトラスト」は企業経営にどのような効果をもたらすのか。調査結果を交えつつ解説する。

(2023/9/27)

P Rまずはここから “コスパ重視”のゼロトラストセキュリティ導入

ゼロトラストセキュリティを実現する製品は多く、全てを導入するとコストが膨れ上がってしまうが、専門家によれば重要な分野に絞って対策を選べばコストパフォーマンスに優れた導入も可能だという。

(2023/8/1)

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ゼロトラスト関連の技術解説

なぜ「ゼロトラストセキュリティ」が必要なのか

コロナ禍を経てテレワークが当たり前の働き方になる中で、「ゼロトラストセキュリティ」の導入が広がっている。ゼロトラストセキュリティが必要になる理由を、事例を交えて紹介する。

(2024/6/17)

脱VPNからのZTNA移行が「言うほど簡単じゃない」のはなぜか

リモートアクセスのためのVPNの代替手段になり得る「ZTNA」を導入する際、組織は幾つかの問題を乗り越えなければならない。ZTNAの導入を難しくする2つの課題とは。

(2024/6/12)

VPNの代替候補「ZTNA」を理解するための“3大要素”はこれだ

場所を問わない働き方の普及や、攻撃手法の巧妙化を背景に、「ゼロトラスト」の重要性が高まった。その技術の一つである「ZTNA」の仕組みを理解しておこう。

(2024/6/5)

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ゼロトラスト関連の運用&Tips

「テレワークだとやる気が出ないエンジニア」こそ“新しい何か”を学ぶべし

燃え尽き症候群は、誰にも起こり得る深刻な問題だ。テレワークをするソフトウェアエンジニアが燃え尽き症候群に陥るのを防ぐには、どうすればよいのか。具体策を紹介しよう。

(2023/7/28)

経営陣から理解を得られる「ゼロトラストの実装方法」とは?

ゼロトラストは基本的には1つのツールでは実装できない。ゼロトラストで失敗しないための、幾つかの注意点がある。まず何から始めるべきで、どのように継続的に取り組むべきかを説明する。

(2023/7/11)

「ゼロトラスト」を企業から遠ざける“真犯人”

ユーザー企業やセキュリティベンダーはゼロトラストの考え方に注目している。しかし、ゼロトラストは難解であり、実装できる企業やベンダーが限られている。難しさの要因は何なのか。

(2023/6/8)

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ゼロトラストとは

誰を信用するか

 ウォルシュ、グランネルズの両氏によると、ゼロトラストをデフォルトとするセキュリティ対策においてはネットワークの内側も外側も何も信用しない。そのためリスクを許容できるレベルに抑えるためのコントロールが必須になる。これは深層防御と呼ばれる。

 両氏は言う。「ゼロトラストでは、『信じよ、だが検証せよ』としてきた従来のモデルが変化する。従来のモデルではネットワーク内の機器や資産は許可される可能性が高く、社内限定のリソースに安全にアクセスできるとしながらもそれを検証していた。それが『決して信じるな、常に検証せよ』に変化した。会社のリソースにアクセスする端末は全て認証を通過してセキュリティポリシーのチェックを受けなければならず、アクセスはコントロールされて必要な範囲に限定される」

 ゼロトラストでは、ITセキュリティがコントロールを取り戻すことができると両氏は解説する。

 「ゼロトラストへのシフトは、情報セキュリティ部門がエコシステムの新しい境界の多くでコントロールを取り戻す場になる。セキュリティはアドレスおよびロケーション層からデータ中心モデルへとシフトする。ゼロトラストネットワークセグメンテーションではトラフィックも可視化され、『誰が、何を、いつ、どこで、なぜ、どうした』を把握できるようになる。これはアクセス、セキュリティ、モニター、コンプライアンスを管理するために重要だ」

 Forresterの報告書を執筆したマッケイ、カニンガム、ラノンポロの3氏によると、非セキュリティ幹部はゼロトラストを単なるネットワークセキュリティアーキテクチャにすぎないと考える。Forresterの調査では、欧州でこれまでゼロトラストの採用を加速させているのはネットワークセキュリティの意思決定権者だったことが分かった。CISO(最高情報セキュリティ責任者)以上の幹部とはほとんど相談していなかった。

 Forresterによると、ゼロトラストモデルの採用に関しては、コストが一つの懸念材料になっていることが分かった。Forresterが構築した中核的なゼロトラストモデルは、IDなどの基本的なセキュリティコントロールと導入済みのコントロール基盤を使った攻撃表面の削減から着手することにより、ゼロトラストの原則に向けた段階的な進化に重点を置く。

 Forresterアナリストのマッケイ、カニンガム、ラノンポロの3氏はCISOに対し、既存のセキュリティシステムから着手し、段階的なアプローチで組織を横断するゼロトラストを導入するよう促している。「そうした分野をマスターすれば、セキュリティ監視の範囲を強化して可視性を高め、手作業のセキュリティタスクを自動化し、ゼロトラストの成熟度を高めるといった新しい分野に投資できるようになる。ゼロトラストが新しいセキュリティ製品をたくさん購入するための新たな口実ではないことを実証できれば、CISOに対する役員会の信頼も一層高まる」

 ゼロトラストの進展に関する報告書によると、実際に事実上のゼロトラストネットワークアクセスを提供するソフトウェア定義型境界技術で現在のセキュアアクセスインフラを拡張している組織は4分の1に上る。

ゼロトラストアーキテクチャの要素

 ゼロトラストは一般的に、以下のコントロール要素を組み合わせて組織のリソースにアクセスする端末とユーザー、信用レベルを管理する。

  • 統合型エンドポイント管理

 全エンドポイントにコンプライアンスを強制して管理する。会社保有の端末かBYOD(私物端末の業務利用)か、取引先が提供した端末かは問わない。これにより、自分の端末の状況(例えばOSが古くなっているなど)のセキュリティ脅威を把握できる。

  • シングルサインオン

 1回のサインオンで完全に検証された認証情報をシステムからシステムへと受け渡す。ゼロトラスト環境における使いやすいユーザーエクスペリエンスでは、単一のユーザーIDとユーザーの認証情報を検証する単一のエントリーポイント、組織のシステムを出入りするログが重視される。

  • 多要素認証

 信用された端末、ハードウェアセキュリティキー、生体認証、行動分析、位置情報、時間ベースの制限といった全てを組み合わせ、ユーザーの身元を確認するために複数要素で構成される「プロファイル」を構築できる。全ユーザーの検証が必須になれば、単一要素に依存するという選択肢はなくなる。

出典:Fieldfisherのジェームズ・ウォルシュ氏、ロブ・グランネルズ氏