次世代IDセキュリティのトレンドが分かる「3つのキーワード」とはIDセキュリティで注力すべき分野【後編】

企業が扱うIDは、従業員と顧客に関するもの、クラウドサービスとオンプレミスシステムの両方に存在するものなど多岐にわたる。IDを安全に管理するために、企業が着目すべき3つの技術分野とは。

2025年02月25日 05時00分 公開
[Todd ThiemannTechTarget]

関連キーワード

ID管理 | セキュリティ


 アクセス権の管理、システムの分断、従業員IDと顧客IDの管理など、企業のID管理を取り巻く課題は複雑化の一途をたどっている。Informa TechTarget傘下のEnterprise Strategy Group(ESG)は、2024年12月に発表したレポート「2025 Technology Spending Intentions Survey」で、企業のIDセキュリティに関する投資状況を分析した。その情報を踏まえて、効率的かつ安全なID管理を実現するための3つの取り組みを解説する。

次世代IDセキュリティの「3つのキーワード」とは

会員登録(無料)が必要です

1.ガバナンスと管理の強化

 IDのガバナンスとライフサイクル管理が、企業においてますます優先順位が上昇しているとESGはみる。オンプレミスシステムとクラウドサービスの両方について、アクセス管理を一元化することで、別々に扱われがちな認証システムやポリシーなどの要素を統合管理できるようになる。アクセス権限や特権付与の見直しは、IDやアプリケーションの管理を担うチームにとって重荷になり得るため、企業はこれらの管理プロセスの効率化を進めている。

2.顧客ID管理の強化

 カスタマーIDおよびアクセス管理(CIAM)も、重要度が高まっている要素だ。一部の企業は、従業員のIDおよびアクセス管理(IAM)やIDセキュリティの強化に加えて、顧客IDの管理にも取り組む必要がある。対象になる顧客は、企業の場合もあれば一般消費者の場合もある。CIAMインフラの管理主体を、ライン部門(LOB)から、顧客IDを効果的かつ効率的に管理できるIDセキュリティチームに移管する動きは、企業がCIAMを重視するようになったためだと筆者は考える。

3.IDセキュリティツールの強化

 個別のセキュリティツールの増加による管理の複雑化を解消するために、IDセキュリティベンダーは統合的なツールを提供している。企業が望んでいるのは、IDセキュリティに関するさまざまな問題を効率的かつ効果的な方法で解決することだ。これには統合的なIDセキュリティツールが有用だが、企業のIDセキュリティは依然として断片的な状態にある。企業はさまざまな技術を組み合わせて、自社の多様かつ変わりゆくニーズに適したIDセキュリティ体制を構築する必要がある。

TechTarget発 先取りITトレンド

米国Informa TechTargetの豊富な記事の中から、最新技術解説や注目分野の製品比較、海外企業のIT製品導入事例などを厳選してお届けします。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

新着ホワイトペーパー

製品資料 株式会社AGEST

経営上のリスクに備える、脆弱性診断の目的や実践方法

サイバー攻撃による被害は、金銭的な損失だけでなく、信用の失墜や業務継続への支障といった経営上のリスクに直結する。このようなリスクへの備えとして有効なのが、「脆弱性診断」だ。脆弱性診断の目的や実践方法について解説する。

製品資料 東京エレクトロン デバイス株式会社

高度なエンドポイントセキュリティを実現、EDRの課題を解消するアプローチとは

昨今、組織のネットワーク外に分散したエンドポイントが、攻撃者にとって格好の標的になっている。このような中でエンドポイント保護の新たな形として期待を寄せられているのがEDRだ。しかし、運用が難しいなどの課題も多い。

製品資料 東京エレクトロン デバイス株式会社

セキュリティ最適化の鍵が「エンドポイント」と「認証情報」の保護である理由

サイバー攻撃が激化する中、防御側は限られたリソースで対策することに苦慮している。こうした状況において組織が優先すべきは、エンドポイントと認証情報の保護であり、これらの有効な防御手段として注目されているのが、XDRとITDRだ。

製品資料 LRM株式会社

セキュリティ教育の“目標設定/運用/教育頻度”の課題を一掃する方法とは?

昨今、セキュリティ教育の重要性が高まっている。しかし、効果を正確に測ることが難しく、目標設定や運用に悩むケースも少なくない。本資料では、担当者の負担を軽減しながら、このような問題を解消する方法を紹介する。

製品資料 LRM株式会社

マンネリ化しやすく効果測定も難しいセキュリティ教育、どうすれば改善できる?

情報セキュリティ対策では、従業員の意識を高めるための“教育”が重要となる。しかしセキュリティ教育は、効果の測定が難しく、マンネリ化もしやすいなど課題が多い。効果的なセキュリティ教育を、負荷を抑えて実現するには何が必要か。

アイティメディアからのお知らせ

From Informa TechTarget

「テレワークでネットが遅い」の帯域幅じゃない“真犯人”はこれだ

「テレワークでネットが遅い」の帯域幅じゃない“真犯人”はこれだ
ネットワークの問題は「帯域幅を増やせば解決する」と考えてはいないだろうか。こうした誤解をしているIT担当者は珍しくない。ネットワークを快適に利用するために、持つべき視点とは。

ITmedia マーケティング新着記事

news017.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news027.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...