企業が扱うIDは、従業員と顧客に関するもの、クラウドサービスとオンプレミスシステムの両方に存在するものなど多岐にわたる。IDを安全に管理するために、企業が着目すべき3つの技術分野とは。
アクセス権の管理、システムの分断、従業員IDと顧客IDの管理など、企業のID管理を取り巻く課題は複雑化の一途をたどっている。Informa TechTarget傘下のEnterprise Strategy Group(ESG)は、2024年12月に発表したレポート「2025 Technology Spending Intentions Survey」で、企業のIDセキュリティに関する投資状況を分析した。その情報を踏まえて、効率的かつ安全なID管理を実現するための3つの取り組みを解説する。
IDのガバナンスとライフサイクル管理が、企業においてますます優先順位が上昇しているとESGはみる。オンプレミスシステムとクラウドサービスの両方について、アクセス管理を一元化することで、別々に扱われがちな認証システムやポリシーなどの要素を統合管理できるようになる。アクセス権限や特権付与の見直しは、IDやアプリケーションの管理を担うチームにとって重荷になり得るため、企業はこれらの管理プロセスの効率化を進めている。
カスタマーIDおよびアクセス管理(CIAM)も、重要度が高まっている要素だ。一部の企業は、従業員のIDおよびアクセス管理(IAM)やIDセキュリティの強化に加えて、顧客IDの管理にも取り組む必要がある。対象になる顧客は、企業の場合もあれば一般消費者の場合もある。CIAMインフラの管理主体を、ライン部門(LOB)から、顧客IDを効果的かつ効率的に管理できるIDセキュリティチームに移管する動きは、企業がCIAMを重視するようになったためだと筆者は考える。
個別のセキュリティツールの増加による管理の複雑化を解消するために、IDセキュリティベンダーは統合的なツールを提供している。企業が望んでいるのは、IDセキュリティに関するさまざまな問題を効率的かつ効果的な方法で解決することだ。これには統合的なIDセキュリティツールが有用だが、企業のIDセキュリティは依然として断片的な状態にある。企業はさまざまな技術を組み合わせて、自社の多様かつ変わりゆくニーズに適したIDセキュリティ体制を構築する必要がある。
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