WEPに対するハッカーの攻撃増大を受けて開発されたWPAとWPA2での暗号化方式は、どのように改良されているのだろうか。
前回の「無線セキュリティ──WEP暗号化の仕組み」ではWEP暗号化の仕組みについて説明した。今回は、WPAとWPA2で暗号化方式がどのように改良されているかを見てみよう。
2001年までに、WEPに対するハッカーの攻撃が増大し、無線セキュリティの強化が緊急課題となった。IEEEは改良規格である802.11iの標準化作業を開始。2003年にWi-Fi Allianceが、この規格の最終承認を待たずにWPA(Wi-Fi Protected Access)を開発した。WPAはIEEE 802.11iの当時の最新ドラフト仕様のサブセットをベースにしていた。
WPAはハードウェアアップグレードの必要がないように配慮して設計された。初期のアクセスポイント(AP)は、処理能力が非常に限られているものが多かった。RC4暗号方式がWEPで採用されたのは、強力なCPUが不要なためだった。WPAでは引き続きRC4が採用されているが、WEP暗号化の弱点に対処するために、以下の機能が追加されている。
WPAは、「パーソナル」か「エンタープライズ」いずれかのモードで利用できる。
EAPは、RFC 3748で定義されている拡張可能なプロトコルだ。特定の認証プロトコルを規定するものではなく、一連の機能とフォーマットを定めている。そのため多数のEAP方式が定義されており、Wi-Fi Allianceは利用可能な方式のサブセットを選定している。
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