無線IP電話は導入後も絶えず警戒が必要VoWLANは席替えしただけで不調になることも

有線ネットワークとは異なり、無線は外部要因の変化によって通信範囲や通話品質に影響を受ける場合がある。従って無線IP電話(VoWLAN)を導入した後は、絶えず警戒する必要がある。

2008年01月17日 04時45分 公開
[David B. Jacobs,TechTarget]

 無線IP電話(VoWLAN:Voice over Wireless LAN)の場合、導入を無事に終えたからといってそれで仕事が完了するわけではない。有線ネットワークとは異なり、無線ネットワークは外部的な要因の変化に敏感なため、それが通信できる範囲や通話品質に影響を与える場合があるのだ。ネットワークに何の変更も加えていないのに通話品質が低下する可能性もある。

信号強度の監視

 社内のあらゆる場所で信号強度と通信範囲を定期的に測定する必要がある。最初の配備時にアクセスポイント(AP)を設置したら、社内のすべての個所で信号品質を測定しておくこと。そして十分な信号強度が得られるようにAPの出力レベルを調整する。そこまでしても、社内のレイアウトの変更に伴って出力レベルを変更したり、APを移動(あるいは追加)したりしなければならないことがある。ファイルキャビネットを追加したり移動したりするだけで、デッドスポットができることもある。こういった変化を検知するには、定期的に測定を行って最初の配備時の測定結果と比較する必要がある。

 最初の配備の段階で、スペクトラムアナライザや専用のVoWLAN測定ツールを使用して測定を行うこと。ネットワーク業者がその作業を実施したのであれば、その業者に定期的に測定を行わせるか、もしくは測定装置を自社で購入し、スタッフにその使い方を訓練するのに必要な時間とリソースを確保する必要がある。

不正なアクセスポイント

 VoWLANが配備されているかどうかにかかわらず、無線LANにとって不正なアクセスポイントはセキュリティリスクであると考えられてきた。従業員が無線接続環境を改善するために、市販のAPを購入して社内の有線ネットワークに勝手に接続することもあるだろう。しかしセキュリティが設定されていないAPは、有線LANと無線LANの両方に対して開かれたゲートウェイを作り出してしまう。

 市販のIEEE 802.11n対応APの登場は、リスクのレベルを増大させる。IEEE 802.11nは、2.4GHzと5GHzのいずれの周波数でも動作する。社内ネットワークが2.4GHzで動作しているために、その周波数しかチェックしていないとしたら、5GHzで動作しているAPを見落としてしまうことになるだろう。

外部からの干渉

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