WiMAXとは何か――技術とアプリケーション今だからこそのWiMAX基礎知識

WiMAX業界の成長に伴い、WiMAXにまつわる誇大宣伝と混乱も大きくなった。本稿ではまずWiMAX技術とアプリケーションについて解説する。

2008年07月14日 07時30分 公開
[Paul DeBeasi,TechTarget]

 「(WiMAXは)インターネット以来最大の可能性を秘めている」と、米IntelのWorldwide Interoperability for Microwave Access(WiMAX)プログラムオフィス担当ジェネラルマネジャー、スリラム・ビスワナサン氏はかつて言った。これはかなり大胆な発言であり、多くのWiMAX推進者の見解を言い表していた。しかしWiMAX業界の成長に伴い、WiMAXにまつわる誇大宣伝と混乱も大きくなった。

 本稿は、WiMAXについて解説する連載の第1回目となる。まずはWiMAX技術とアプリケーション、用語解説から始めよう。

固定WiMAX

 IEEEは1998年、無線メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)の標準仕様を確立する目的で、IEEE 802.16作業部会を設置した。まず意図したのは、高周波数のLOS(見通し内)固定無線接続を使った高速ファイバーアクセスソリューション用途だった。最初の仕様は802.16と呼ばれ、低周波数のNLOS(見通し外)無線接続を介した固定無線ブロードバンドアクセスに対応するものへと進化した。進化した仕様の802.16-2004は、「固定WiMAX」とも呼ばれる。

モバイルWiMAX

 802.16-2004仕様が完成すると、IEEEの作業部会はさらに仕様を進化させてモバイルアプリケーションに対応させる作業に着手した。モバイル通信は固定通信に比べて複雑度が増す。ユーザーが移動しても、接続が途切れることなく1つの基地局から別の基地局へと無線接続を引き継ぐことができなければならない。新仕様の802.16e-2005は2005年12月に完成し、モバイルアプリケーションだけでなくノマディック(公衆無線LAN)と固定アプリケーションにも対応した。802.16e-2005は「モバイルWiMAX」とも呼ばれる。

関連ホワイトペーパー

WiMAX | IEEE | 無線LAN


ITmedia マーケティング新着記事

news193.jpg

IASがブランドセーフティーの計測を拡張 誤報に関するレポートを追加
IASは、ブランドセーフティーと適合性の計測ソリューションを拡張し、誤報とともに広告が...

news047.png

【Googleが公式見解を発表】中古ドメインを絶対に使ってはいけない理由とは?
Googleが中古ドメインの不正利用を禁止を公式に発表しました。その理由や今後の対応につ...

news115.jpg

「TikTok禁止法案」に米大統領が署名 気になるこれからにまつわる5つの疑問
米連邦上院が、安全保障上の理由からTikTokの米国事業の売却を要求する法案を可決し、バ...