ネットワーク型の振る舞い検知技術により未知のウイルスを可視化、さらに分析・リポートすることで新たな内部の脅威に対応する。
トレンドマイクロは8月20日、ネットワークの常時監視で疑わしい挙動をとらえ、その中から潜在的な脅威を可視化するソリューション「Trend Micro Threat Management Solution」を発表した。9月1日発売の「Trend Micro Threat Discovery Suite」(以下、TDS)、2008年11月初旬発売予定の「Trend Micro Threat Mitigation Suite」(以下、TMS)の2つのスイートサービスで構成される。今後1年間で2億円の売り上げを目指す。
Trend Micro Threat Management Solutionは、未知の不正プログラム(マルウェア)の検知から、感染端末の復旧、感染原因の分析までを一貫して行う内部脅威対策ソリューション。既存のウイルス対策製品が解析済みのマルウェアの特徴に基づく確実な検知を行うのに対し、本ソリューションでは解析前のマルウェアについて、疑わしい挙動を検知、確度評価する。専用装置やソフトウェアをユーザー企業の環境に設置して通信データを収集し、同社の解析センター「リージョナルトレンドラボ」での分析結果をユーザー企業に提供する。未知マルウェアを特定するTDSと、感染した端末を自動復旧させるTMSからなる。
TDSは、検知用アプライアンス「Trend Micro Threat Discovery Appliance」と分析・リポートサービス「Trend Micro Threat Management Services」を提供する。
Threat Discovery Applianceは、ネットワークを監視することで疑わしい挙動を検知して、リージョナルトレンドラボに通信ログを送信するアプライアンス。LANとファイアウォール間に設置したLANスイッチのミラーポートに接続する。ダウンローダ型のウイルスに感染した端末が別のウイルスをダウンロードしたり、ボットが攻撃者のサーバと通信するなど、システム内部での不審な振る舞いを検出することが可能。標準価格は480万円/1台(税抜き・4年間のハードウェア保守費用を含む)。
アプライアンスから送られるログはリージョナルトレンドラボにて解析され、Threat Management Servicesとして、危険性の高いマルウェア感染やプログラム種別、対処法が日次リポートの形でユーザー企業に提供される。また月次リポートでは感染傾向に専門家の分析コメントが付いて報告される。価格は年間385万8000円(税抜き・501〜1000ユーザーの価格)。
TMSは、感染活動の追跡調査による原因分析と復旧処理を行うシステムで、処置サーバ用ソフトウェア「Trend Micro Threat Mitigator」と、プログラムの活動履歴や通信履歴を記録するクライアントソフトウェア「Trend Micro Threat Management Agent」を提供する。
TDSでマルウェアの感染が検知されると、Threat Mitigatorが感染した端末上のThreat Management Agentにログの追跡調査を指示し、感染状況の調査結果を基にプログラムを駆除するなどの復旧作業を実行。さらに不正プログラムの処理結果をリージョナルトレンドラボへ通知する。TMSの利用料金などの価格は製品出荷時に発表予定。
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