「Webからの脅威にはサービスで対抗」、トレンドマイクロがウイルス常時監視の新サービスNEWS

トレンドマイクロはウイルス解析センターを母体とした常時監視サービスを開始する。ユーザーにウイルス感染の「気付き」を与えて拡大を未然に防ぐことが目的だ。

2008年02月15日 17時54分 公開
[堀見 誠司,TechTarget]

 トレンドマイクロは2月15日、企業のウイルス対策状況を常時監視するサービス「Expert on Guard」を3月1日より開始すると発表した。同社のウイルス解析センターのノウハウやナレッジをサービス化して提供するもので、サービスメニューによっては駆除ツールの個別提供も行う。

画像 Expert on Guardのサービス概要《クリックで拡大》

 Expert on Guardでは、同社でウイルス解析やサポートを実施する「リージョナルトレンドラボ」内に専用のオペレーションセンターを設置して、ユーザー企業システム内のウイルス感染状況を24時間365日体制で監視する。監視対象のPCなどに情報収集用のエージェントソフトを導入。感染の発生時やウイルス定義ファイルが古くなっている場合はユーザーに通知し、感染ファイルの解析や対策を促すことで感染の拡大を防ぐ。感染状況の監視には、ラボ内の専任エンジニアや日米両拠点のサポートスタッフが連携して当たる。

画像 トレンドマイクロ社長兼CEO エバ・チェン氏は、利益志向のハッカーがもたらす脅威を前に、今後はサポート・サービスが重要になると説明する

 サービスメニューには「Standard」「Premium」の2つがある。監視以外にも、リサーチエンジニアがウイルス発生状況の月次リポートを作成したりログ分析に基づいた予防策を提案したりするのに加え、Premiumメニューではユーザー環境に合わせて作成した駆除ツールを事前に提供するといったサービスも行う。また、500ユーザー以下の企業を対象に、監視時間やサービス内容を限定した「Basic」もメニューとして用意した。トレンドマイクロによると、当初は同社の企業向けウイルス対策製品のユーザーを対象に提供するが、他社製品のユーザーへの導入提案も順次進めていくという。

 Expert on Guardは1年ごとに契約更新する形態を取る。1年間のサービス料金(税抜き)は、1000~1499クライアントを対象にした場合、Standardが278万円、Premiumが589万円。Basicは、同クライアント数で198万円となる。なお、Premiumを利用するには、同社の有償サポートサービス「トレンドマイクロプレミアムサポート」を別途契約する必要がある。

画像 「改ざんされた正規のWebサイトから不正サイトにユーザーが誘導された結果、ウイルス感染するケースが急増している」と語る大三川彰彦 日本代表

 トレンドマイクロは2008年の法人向けビジネスについて、Webを媒介としたセキュリティ攻撃の手段や対象が常に変化していることを背景に、(1)サービス事業の推進、(2)情報漏えい対策への注力、の2点を柱に据えるという。Expert on Guardは(1)の一環となり、今後も第2四半期には同社のビヘイビア(振る舞い)ベースのウイルス検知技術を生かした自己免疫型ソリューションを、第3四半期には企業内の人材教育や導入コンサルティングをサービス化して提供する予定だ。また(2)については、中長期の戦略として、同社が2007年に買収した米Provillaの情報漏えい防止技術を基盤に、スマートフォンなどの非PC系端末向けのセキュリティ対策製品を展開していく。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

隴�スー騾ケツ€郢晏ク厥。郢ァ�、郢晏現�ス郢晢スシ郢昜サ」�ス

製品資料 フォーティネットジャパン合同会社

限界を迎える従来型境界防御、今求められる先進的な検知と対応能力とは

従来型境界防御が限界を迎え、企業は新たなサイバーセキュリティの課題に直面している。今日の高度な脅威に対抗するためのセキュリティアプローチとして、ZTNA、EDR、XDRの統合による包括的保護の実現方法について解説する。

技術文書・技術解説 アイティメディア広告企画

「AIエージェント時代」にセキュリティはどう進化する?

「AIエージェント」をはじめとする人工知能(AI)技術を、脅威の検出や分析に利用する動きが広がりつつある。AI技術がセキュリティ分野にもたらす可能性と、その効果を最大限引き出すために留意すべき課題について整理する。

技術文書・技術解説 アイティメディア広告企画

「乱立するセキュリティツール」を統合しても悩みが尽きない理由とは?

セキュリティ運用の複雑化を防ぐために、乱立するセキュリティツールの統合に取り組む企業が増えている。しかし、ただ統合するだけでは必ずしも問題の解決にはつながらない。“賢い統合”を実現するためのポイントとは。

技術文書・技術解説 アイティメディア広告企画

「SIEM」と「SOAR」――何がどう違うのか、どちらを選ぶべきか

SIEMとSOARは、企業のセキュリティ運用を支える中核的なツールだ。両ツールの目的や機能、メリットは大きく異なるが、十分に理解している人は少ない。それぞれの特徴を整理し、自社に最適な選び方を分かりやすく解説する。

技術文書・技術解説 アイティメディア広告企画

いまさら聞けない「EDR」と「SIEM」の違い 結局どちらを選ぶべき?

「EDR」と「SIEM」はどちらも企業のセキュリティを強化するための重要なツールだが、それぞれ担う役割や得られるメリットは大きく異なる。両者の違いや併用の可能性について触れつつ、最適なセキュリティ体制を構築するヒントを探る。

From Informa TechTarget

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは

いまさら聞けない「仮想デスクトップ」と「VDI」の違いとは
遠隔のクライアント端末から、サーバにあるデスクトップ環境を利用できる仕組みである仮想デスクトップ(仮想PC画面)は便利だが、仕組みが複雑だ。仮想デスクトップの仕組みを基礎から確認しよう。

ITmedia マーケティング新着記事

news017.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news027.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...