現在使っているWindowsアプリケーションがWindows Vista上で正常に動作するのか、どのようにチェックすればいいのだろうか? Microsoftはそのための各種ツールやガイドラインを提供している。
Windows Vistaへの移行を検討している企業にとって、移行にかかわる最も重要で差し迫った関心事の1つは、アプリケーションの互換性に違いない。これは端的に言えば、「現在使っているアプリケーションはWindows Vista上で動くのか」という問題だろう。
Microsoftは、移行の障害となり得るこの問題を強く認識しており、並々ならぬ時間やエネルギー、リソースを注いで、アプリケーションの互換性を評価するためのツール、ガイド、プロセスを用意している。本稿では、主なツールと資料を含む「Microsoft Application Compatibility Toolkit 5.0」(ACT 5.0)にあるアプリケーション互換性評価プロセスの全体を、Microsoftがどのように想定しているかを説明する。今回提供する情報の多くは、同社の「Getting Started with Application Compatibility in a Windows Deployment」という資料からまとめたものだ。
簡単に要約すると、アプリケーションの互換性を評価するプロセスは、次の4つのステップから成る。
集中管理環境で標準デスクトップ構成を設定し、デスクトップで実行できるアプリケーションを制御している場合、アプリケーションの互換性評価プロセスの最初のステップとなるインベントリ作成は、極めて容易に行えるだろう。実際、ACT 5.0には集中管理環境(Microsoft Desktop Optimization Pack for Software Assurance 2007やMicrosoft System Center Configuration Manager 2007、Microsoft Systems Management Server 2003など)を利用していない顧客向けに、インベントリツールが用意されている。インベントリ作成では、社内のデスクトップで使われているすべてのアプリケーションとそのバージョンを網羅したリストを作成する。
Microsoftが「優先順位付けと合理化」という遠回しな言葉を使う2番目のステップは、厄介なものだ。このステップでは、複数のバージョンが使われているアプリケーション(Microsoftは「重複アプリケーション」と呼んでいる)について、標準バージョンを1つ選択する。また、同じ作業に複数のアプリケーション(スイート製品、ビデオ編集ツールなど)が使われている場合(Microsoftの言葉では、「余分なアプリケーション」が使われている場合)も、その中から1つのアプリケーションを選択する。さらに、無断で使われているアプリケーションや、同社が言うところの「社内の日常業務との関連が薄い」アプリケーションを廃棄する。
こうしたふるい分けにより、使用するアプリケーションは少なくなる。この段階で、社内での重要性に基づいてアプリケーションの優先順位付けが行われる。多くの場合、アプリケーションは次の例のようなカテゴリーに分類されるだろう。
この分類プロセスでは、今後進めるビジネスに不可欠なアプリケーションや、新たに定める定型業務に不可欠なアプリケーションも特定される。カテゴリー内でのアプリケーションの優先順位付けには、経営陣の積極的な関与が必要になる。
こうして優先順位が決まったら、それに従ってアプリケーションの互換性の評価、確保に取り組んでいく。
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