WPF/Silverlight向けUI設計ツール「Expression Blend 3」の新機能とはRIA開発ツールの本命となれるか?

マイクロソフトが2009年10月に発表したUI設計ツール「Microsoft Expression Blend 3 日本語版」。SilverlightによってRIA市場に攻勢をかける同社が発表した新製品の主要機能を紹介する。

2009年11月05日 08時00分 公開
[八巻雄哉,グレープシティ]

 マイクロソフトは2009年10月、Webインタフェース設計用ツール群「Microsoft Expression 3 日本語版」(以下、Microsoft Expression 3)の提供開始を発表した。Microsoft Expression 3は、高度なユーザーインタフェース(UI)を実現するためのグラフィックサブシステム「Windows Presentation Foundation」(以下、WPF)や、RIA(Rich Internet Application)を提供するWebブラウザプラグイン「Microsoft Silverlight」(以下、Silverlight)に対応した4つのデザイナー向けの開発ツールで構成される。

Expression 3の構成製品
製品名 概要
Expression Blend WPFやSilverlightを使ったアプリケーションUI設計ツール
Expression Web Web標準に準拠したサイトやASP.NETや PHPなどの機能を活用したサイト制作を効率的に行うためのWebオーサリングツール
Expression Design Web/デスクトップアプリケーションで必要となるパーツを作成するためのベクターグラフィック作成ツール
Expression Encoder Silverlightに最適なビデオのエンコードやパブリッシュを支援するビデオエンコーダー。スクリーンキャプチャーも可能

 RIAの推進団体である「RIAコンソーシアム」が2009年6月に発表した、Webアプリケーションの利用者を対象に行った「2009年3月 Webアプリケーションのビジネス利用調査」によると、Silverlightの認知度は、2008年実施の前回調査と比べて6%増の14.4%まで増えている。

 Silverlight向けの開発ツールであるMicrosoft Expression 3は、どれくらいRIA開発を効率化できるのか? 本稿では、その中でも開発者が利用する機会が多いUI設計ツール「Expression Blend 3」(以下、Blend 3)の主要機能を紹介する。

photo Blend 3の画面《クリックで拡大》

Blend 3の動作環境

 Blend 3は、以下の3つのOSをサポートしている。

・Windows XP Service Pack 2 以上

・Windows Vista

・Windows 7


 Blend 3の動作環境の条件としては「.NET Framework 3.5 Service Pack 1」以上が必須となっている。これは、Blend 3自身がWPFアプリケーションとして構築されているためだ。

カスタマイズ性が向上したワークスペース

 Blend 2までは「パネル」と呼ばれるワークスペースの各領域は任意の場所にフローティングすることはできても、決められた場所にしか配置(ドッキング)することはできなかった。これが、Blend 3からは任意の場所にパネルを配置することが可能となり、ユーザーが一番使いやすい形式でワークスペースをカスタマイズできるようになった。また、パネルの右上隅にある[自動的に隠す]をクリックすることでパネルを折りたたみ、スペースを節約することも可能だ。

photo ワークスペースをカスタマイズした画面《クリックで拡大》

 なお、複数のワークスペースパターンを使用したい場合は、カスタマイズしたワークスペースを登録しておくことで、いつでもそれを適用できる。

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