前回までRIA開発の製品ベンダー7社を紹介した。関連製品が多く提供されていることは分かったが、実際の開発現場の状況はどうなっているのだろうか? 推進団体であるRIAコンソーシアムの運営委員に話を聞いた。
これまで2回にわたり、RIA開発製品を提供しているベンダー7社を紹介した。各社の取材を通して、「RIA開発では、従来のシステム開発とは異なる“開発体制”や“開発プロセス”が求められる」という声を多く聞いた。それは、システムのロジック部分を担当するエンジニアとユーザーインタフェース(以下、UI)部分を担当するデザイナーとの協業によるシステム開発のことを指す。
しかし、ECサイトやコンシューマー向け事業を展開しているならともかく、業務アプリケーション中心の開発を進めてきた企業にとっては「具体的にどう協業していいのかよく分からない」というのが本音ではないだろうか?
RIA開発の現場では何が起こっているのか? この領域の推進団体である「RIAコンソーシアム」(以下、RIAC)に話を聞いた。
RIAの普及・啓発活動を目的として2003年10月に設立されたRIACは、製品ベンダーやSIer、ユーザー企業、Web制作会社など35社が会員企業となっている(2009年6月現在)。
同団体の事務局長である今野英隆氏によると、RIACの活動は「“より使いやすい企業向けWebアプリケーションを構築するにはどうすればよいか”を特定のベンダー製品にとらわれずに研究することから始まった」という。
RIACでは、RIAの普及推進や事例研究、開発ガイドラインの策定、課題解決などのテーマごとに作業部会(WG)を設けて研究を進めている。また、RIAシステム構築ガイドの発行、講演やイベント、セミナー活動などによって企業のRIAシステム構築を支援している。
RIACでは、業務でWebアプリケーションにかかわっているビジネスパーソンを対象にして「Webアプリケーションのビジネス利用調査」を定期的に実施している。
2008年2月に実施した市場調査の結果によると、Webアプリケーションの責任者・開発者の7割がRIAを「知っている」「聞いたことがある」と答えており、その認知度は高まり、市場に定着しつつあるようだ。
今野氏によると、先進的な企業では予算や時間をかけてRIAに関する研究が進められているという。ただ、一般的な企業の多くが技術的な側面を理解しているとはいえないため、RIACでは「より実装・実務的な部分の支援に移行する段階にある」と認識しており、現在、すそ野をより広げるための施策を検討している。
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