ハードウェア購入で役立つレンタル/リースの基礎知識実践! 中堅・中小企業のための賢いIT投資【第2回】

PCや複写機など業務利用機器の調達方法として活用したいのがレンタルとリース。両者の区別があいまいなユーザーは意外に多いのではないだろうか。これらの違いと特徴を理解することが効率的なIT投資につながる。

2009年12月17日 08時00分 公開
[岩上由高,ノークリサーチ]

 前回「中堅・中小企業にもできるIT投資対効果の算出法とは?」では、中堅・中小企業にも実践が可能な投資対効果の考え方を取り上げた。2回目となる今回は「レンタル/リース」の基本について説明しよう。

 「所有から利用へ」という流れが話題となる昨今だが、目の前にあるPCがなくなってしまうわけではない。また、業務システムやファイル共有で利用するサーバが社内から1台もなくなってしまうという状況もすぐにやってくるわけではないだろう。従って、レンタルやリースを含めたハードウェアの調達方法に関する知識は、IT投資を考える上で必須といってもよい。

 当初の予定では、今回「中堅・中小企業向けの支援制度の活用方法」を取り上げることになっていたが、順番を入れ替えて第3回の内容を先に掲載することにした。2010年3月に期限を迎える「中小企業投資促進税制」や「情報基盤強化税制」は中堅・中小企業のIT投資を支援する代表的な施策である。経産省などはこの継続を求めていたが、政府の税制調査会は延長を認めないという方針を取っている。まだ結果が確定したわけではないため、これらの優遇措置が今後も延長されるのかどうかが明らかになった後、「中堅・中小企業向けの支援制度の活用方法」を取り上げることにしたい。ご了承いただきたい。

 また本稿は、ユーザー企業がレンタルやリースを活用する上での基本的な知識を整理することを目的としており、契約上の詳細な留意点にまで踏み込むものではない。実際にレンタルやリースの契約を検討する際には業者から十分な説明を受け、個別の契約内容をしっかりと把握することが大切である。

レンタルとリースはどう違う?

 まずはレンタルとリースの違いを見てみる。一括購入の場合と比べて初期費用負担が少ないという点、また割賦購入(分割払いでの購入)と違ってユーザー企業が物件の所有権を持たないといった点はどちらにも共通している。そのため、両者の区別があいまいになっている方も多いのではないだろうか? レンタルとリースの一般的な違いを列挙すると、以下のようになる。

1. 選択可能な物件

 リースでは、ユーザー企業が望む物件をリース業者が代わりに購入し、貸し出すものである。一方レンタルでは、レンタル業者があらかじめ取りそろえる物件の中からユーザー企業が選択をする。つまり、選択可能な物件の幅広さという点では、一般的にリースの方が広くなる。

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