日本アバイア、ノーテル企業向け事業買収後の方針を明らかにNEWS

日本アバイアは、2009年12月18日に発表したノーテルのエンタープライズ・ソリューションズ事業買収に関する説明会を開催。新生アバイアのビジョンを語った。

2010年01月26日 09時00分 公開
[上口翔子,TechTargetジャパン]

 日本アバイアは1月25日、米国時間の2009年12月18日に発表したカナダ・ノーテルネットワークスのエンタープライズ・ソリューションズ(以下、NES)事業買収に関する説明会を開催。新たな製品ポートフォリオおよび今後の戦略を明かした。

画像 米国アバイア ユニファイド・コミュニケーション・ソリューション プロダクト・マネジメント兼バイス・プレジデントのホーヘイ・ブランコ氏

 説明会に登壇した米国アバイア ユニファイド・コミュニケーション・ソリューション プロダクト・マネジメント兼バイス・プレジデントのホーヘイ・ブランコ氏は「サポート体制を含めたNES製品の補完および人員の受け入れ体制は既に整っている。買収後に借入金額の割合が営業利益率の3、4倍から6倍に拡大したが、いずれ回復するだろう」と前向きな姿勢を見せた。

 今回、同社が新たに掲げたビジョンは“PLUG&PLAY COMMUNICATION”と呼ぶ、音声/動画/SNSなどを組み合わせた次世代コミュニケーションの実現。ブランコ氏は「あらゆる情報をリアルタイムで提供できる基盤とSIP(Session Initiation Protocol)ベースのオープンな標準アーキテクチャ、Communications-Enabledビジネスシステム(文脈のあるオープンなコミュニケーション環境を実現するシステム)を融合したもの」だと説明した。

画像 ユニファイドコミュニケーション戦略とロードマップ(アバイアのこれまでの製品ポートフォリオにNESの機能を統合したもの)。赤色がアバイア、青色がNES、紫色が2社の融合部分を示している

 具体的には、ユニファイドコミュニケーション(UC)製品、コンタクトセンター製品、中小規模企業向けコミュニケーション製品 データ製品について、以下のような展開が予定されている。

 UC製品の中心に置かれるのは、複雑なコミュニケーションネットワークを統合するSIPベースのコミュニケーションプラットフォーム「Avaya Aura」。ネットワークインフラコストを削減するほか、両社の既存顧客が新製品への移行時に既存の環境を生かしながら、システム/ラインの追加が可能だという。

 またコンタクトセンターは、Avaya Auraを基盤とするSIPベースのSOA(サービス指向アーキテクチャ)に移行することによって、顧客、オペレーター間のコミュニケーションや情報共有の手段が自由に選べるようになるという。また、統合後のロードマップとして、中規模から大規模のコンタクトセンター向けにオペレーターのPC操作性向上、作業割り当て、管理および分析機能を提供する方針も掲げている。

 中小規模企業向けコミュニケーション製品(BCM、Norstar、PARTNER、Integral 5)については、すべてアバイア製品に統合される形で販売が継続される。ユニファイドコミュニケーションをデータセンターから管理したい中小規模企業向けには、旧ノーテルのSIPベースの製品「Avaya Software Communication System」が提供される。

 NESのデータ製品については、NESの既存ロードマップがそのまま移行される。なお、アバイアのデータ製品ポートフォリオには、イーサネットスイッチ、ルータ、ワイヤレス、アクセスコントロール、およびユニファイドマネジメント向けのソリューションが含まれる。

日本市場はUCや中規模コールセンター向け製品に注力

 会見では、日本アバイア ソリューション マーケティング部長の平野 淳氏が日本市場向けの展開について説明した。

画像 国内事業向けの戦略

 平野氏は「アバイアは日本ではコレクトセンター向け製品でのイメージが強いが、今後は提供製品の幅を広げていく。具体的にはオフィス向けUC製品の拡充や中堅規模のコレクトセンター向け新製品の投入を行う」とし、UC製品の国内独自パッケージなども検討していることを示唆した。

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