オフショア開発にも対応するプロジェクト管理ツール「Popular ProjectManager」プロジェクト管理ツール紹介:ポピュラーソフト編

開発コストを抑えることを目的としてオフショア開発に取り組むと、さまざまな問題に直面してトラブルに見舞われることもある。そうしたトラブルを回避するためにプロジェクト管理ツールは役に立つのだろうか。

2010年06月25日 08時00分 公開
[唐沢正和]

“見えない壁”がオフショア開発の失敗原因に

 近年、ソフトウェア開発のコスト削減を図るため、インドや中国などの海外拠点を活用して開発を行う「オフショア開発」を指向するSIerが急増している。こうした状況について、ポピュラーソフト代表取締役の坂野樹文氏は「オフショア開発がうまくいかずに失敗プロジェクトに終わるケースも少なくない」と語る。また、日本の拠点と海外開発拠点の間に“見えない壁”があることがその大きな原因であり、現在のオフショア開発における課題だと指摘する。

画像 ポピュラーソフト代表取締役の坂野氏

 例えば、典型的なオフショア開発のパターンに、発注元である顧客企業と海外開発拠点との間にブリッジSEを立てて、プロジェクト管理を行うケースがある。この場合、ブリッジSEの報告だけでしか海外開発拠点の作業進ちょくを把握できないことも多くなり、ブリッジSEの存在自体が壁となることもある。これでは、オフショア開発のリアルタイムな管理は難しいといわざるを得ない。また、開発拠点が分散することで、設計書などの変更に対する同期が必要になったり、各拠点からの報告メールが交錯して重要な情報を見落としたりするなど、さまざま問題が発生する可能性がある。

 ポピュラーソフト自身もオフショア開発を手掛けているソフトウェアベンダーであり、中国・大連の開発子会社と連携しながら、受注開発からパッケージソフトウェア開発などを行っている。そして、そのノウハウと実績を生かして開発したのが、同社の可視化プロジェクト管理システム「Popular ProjectManager」だという。

 坂野氏は「オフショアによる受注開発事業を展開するに当たって、この“見えない壁”を取り除き、分散拠点による開発を意識させない環境を作ることが重要だと考えた」と説明する。そのため、同社はオフショア開発の可視化を実現するプロジェクト管理システムを開発し、自社のソフトウェア開発業務で活用してきた。これにより、2004年の設立から現在まで、納期の遅延など失敗プロジェクトを起こしたケースは1つもないという。今回は、同社のPopular ProjectManagerを紹介する。

オフショア開発拠点のリソース情報を可視化

 Popular ProjectManagerは、プロジェクトの登録・管理からプロジェクトに割り当てるメンバーの要員管理、開発フロー全般のタスク管理、テスト工程における障害管理といった機能を提供するWebシステムだ。

画像 Popular ProjectManagerのプロジェクト管理画面《クリックで拡大》
Popular ProjectManagerの主な管理機能
概要 機能
プロジェクト登録 プロジェクト情報の登録、情報検索
要員管理 各メンバーの基本情報、保有資格、プロジェクト履歴情報などの管理
リソース管理 リソースの検索・リクエスト、メンバーのアサイン
タスク管理 タスクの登録、タスクの予定・実績入力、タスクの進ちょく管理、タスクの承認
テスト工程管理 プロセス管理、機能ユニット管理、要件管理、シナリオ・テスト項目・テスト結果管理、障害管理、インポート/エクスポート機能

 Popular ProjectManagerの特徴として挙げられるのが「リソース管理」機能である。現在普及しているプロジェクト管理ツールは、タスク管理が中心となっているものが多いが、Popular ProjectManagerではオフショア開発における可視化を実現するため、基本的なタスク管理機能(予定、実績、確認)に加えて、プロジェクトメンバーの情報管理を行うリソース管理機能に重点が置かれている。具体的には、海外開発拠点も含め、プロジェクトに関連するすべてのメンバーのあらゆる情報をリソース管理機能で一元管理することが可能。

画像 リソース管理画面《クリックで拡大》

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