ディーバがIFRS対応の新ソリューションを発表した。単体ERPを改修することなく、高いレベルでのIFRS対応を可能にする。国内ERPベンダーとの協業も加速させる考えだ。
ディーバは9月2日、企業グループ全体の仕訳帳や総勘定元帳を統合的に処理できるIFRS対応の統合会計ソリューション「DivaSystem GEXSUS」(以下、GEXSUS、ジェクサス)を発表した。グループ子会社の単体ERPで行っている総勘定元帳、仕訳帳などのIFRS組み替えを、グループで統合的に処理できるようにする仕組み。単体ERPを改修せずに仕訳帳レベルのIFRS対応を行うことができる。出荷開始は2010年内。
ディーバの代表取締役社長 森川徹治氏はGEXSUSについて「(単体の財務情報を)経営情報として利用することに役立つ。かつ開示コストも減らして、制度やシステムの変更も吸収できる」とメリットを説明した。単体の仕訳帳の処理はグループ子会社のERPがこれまでは行ってきたが、「それを外部化することに大きな意義がある」として、グループ内での会計基準の統一化やグループ全体の業務負荷の軽減などを強調した。
本社とグループ子会社のIFRS対応については複数の仕組みが提案されている。1つはグループ子会社のERPで個別の財務諸表を作成し、それを基に本社の連結会計システムでIFRSの連結財務諸表を作成する。この仕組みはディーバが連結システムのDivaSystemで提案している。もう1つはグループ子会社レベルでIFRSの個別財務諸表を作成し、それを本社で連結処理する方法で、ERPベンダーなどが打ち出している。
GEXSUSが実現するのはこの2つのシステムのハイブリッド。個別ERPは日本基準のままにしておいて、その仕訳データなどをGEXSUSで抽出し、IFRSに組み替える。これによってGEXSUS上でIFRSの個別財務諸表を作成する。GEXSUSで出力するIFRSの個別財務諸表は本社側のDivaSystemで連結処理し、IFRSの連結財務諸表を作成する。
ディーバのビジネスソリューション本部 事業企画担当部長 シニアマネージャーの玉村健氏は「グループ全体のERPを見直すことなく、見直しと同等の効果を得られる」と話した。GEXSUSで統合的に仕訳帳の組み替えを行うことで、会計方針をグループで統一でき、開示作業の効率化や経営管理への応用が可能になるという。また、個別ERPを改修する必要がないため、IFRS対応のコスト減にもつながるとしている。
GEXSUSのシステムは本社側でホストし、グループ子会社がアクセスして利用する仕組み。GEXSUSでは同一の総勘定元帳に複数の会計基準の属性を持たせることが可能。ETLツールを内蔵しており、単体ERPからデータを抽出し、ルールに基づいてコード変換できるようになっている。ディーバは国産のERPベンダーと協業し、データ統合のためのアダプターの提供も行う予定だ。
DivaSystemの連結処理でIFRS対応を行う顧客は、ディーバの既存顧客である622社のうち、約9割を占めると同社は考えている。一方、GEXSUSを使ってIFRS対応を行うのは残りの1割の顧客との見通し。同社は 新規顧客10〜20社の獲得を目指し、今後3年間ではGEXSUSを約50件導入する計画だ。直販中心だったDivaSystemと異なり、GEXSUSではコンサルティングファームやITサービス企業と協業し、幅広い導入を目指す。DivaSystemの案件規模が新規導入で約1000万円なのに対して、GEXSUSでは4000万〜2億円の規模になると見込んでいる。
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