ユニファイドコミュニケーション(UC)の本来の導入目的は、生産性やビジネスプロセスの改善。業務を改善するためのUCソリューションを検討、導入する際に求められる視点、実施すべきことをまとめた。
本連載では、企業がユニファイドコミュニケーション(以下、UC)を導入するに当たり、その効果や適用範囲が分かりにくいといわれることが多いため、「業務を円滑にする工夫や仕組みとしてUCを利用する」という業務改善の観点からUC導入を解説してきた。連載で取り上げた業務課題例から、自社の課題や社員のワークスタイルに合ったコミュニケーション手段をどのように選択・提供すべきかを理解していただけると思う。最終回は総括として、企業が業務改善型UCを検討し、導入を進める上でのノウハウを解説しよう。
業務改善型UCの主な検討・導入ステップは、次のようになる。
UCを導入する場合、ユーザーへのアンケート調査がかなり重要な手段になるといえる。UC導入前に、それを使うユーザーが現状のコミュニケーションのどこに課題を持っているのか、あるいはどのような点に解決を望んでいるかなど、ストレスを感じているポイントを把握するためである。
アンケート回答を踏まえて、コミュニケーションの課題がUCで改善できるのかどうかを把握することにより、ユーザーの満足度だけでなく、導入後に得られる効果も高くなる。また導入後の効果測定の面でも、システム部門は導入の優先順位付けや数値化が容易になり、稟議(りんぎ)を上申する際に経営層に対して現場の生産性向上を訴えやすいというメリットがある。自社での対応が難しい場合、メーカーが無料実施しているコミュニケーションアンケートを利用するのも手だ。図1は、シスコシステムズが実際に行っているコミュニケーションアセスメントのサンプルである。
ネットマークスでは、統合コミュニケーションツール(Microsoft Office Communicator)を導入した半年後、ユーザーに対してアンケート調査を実施した。調査結果として、当初想定していなかった効果や利用促進のための改善案が寄せられるなど、システム提供側にも参考となる意見が挙がっている。こういった事前・事後のユーザーの声を聞くことは、業務改善をさらに進め、社員の生産性向上の重要なヒントとなるのは間違いない。
プレゼンス/インスタントメッセージ機能に対する評価 |
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相手へ連絡ができるか事前に確認ができること(営業) 電話が使用できない状況やセミナー出席時に有効活用している(技術) 部内メンバーが社内、ほかの場所で作業している場合や事業所の違う営業職との連絡が取りやすくなった(技術) 無駄なメールや電話が減った(営業・技術・間接) コミュニケーションの質と確実性が格段に向上した(営業) 携帯電話への連動システムがあるとさらによい(営業) |
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