F5がファイルストレージ仮想化製品のラインアップを拡充。クラウドサービスとの連携や仮想アプライアンスによる中小規模システムへの適用など、事業範囲の拡大を目指す。
F5ネットワークスジャパンは12月9日、ファイルストレージ仮想化製品群「ARXシリーズ」に2つの新製品を追加した。2011年初旬に販売を開始する。
ARXは、企業内のNAS環境を一元管理する統合ディレクトリを構築し、その運用管理の自動化などを実現するファイルストレージ仮想化スイッチ。NFS、CIFSなどをサポートする。今回発表された新製品は、クラウドストレージサービスとの連携を可能にするソフトウェア「ARX Cloud Extender」、仮想アプライアンス製品「ARX Virtual Edition」の2つ。
ARX Cloud Extenderは、既存システムとプライベートクラウドやパブリッククラウドなどの外部環境を仮想的なストレージプールに集約し、そのデータアクセスを容易にするソリューション。ストレージ自動階層化機能によって、既存システムとクラウドストレージ間のデータ移行を制御ポリシーに従って実施することが可能。「Iron Mountain VFS cloud storage」「Amazon S3」「NetApp StorageGRID」の3つのクラウドサービスをサポートし、今後さらに対応サービスプロバイダーを拡充する予定。
米国F5 Networksのデータソリューションズ プロダクトマネジメント ディレクタ、チャック・ウッド氏は「ARX Cloud Extenderはクラウドストレージの入り口として機能を果たす」と説明。現在、既に暗号化機能が搭載されているが、ミラーリングやフェイルオーバー、データ圧縮/重複排除機能など、その機能を順次拡張していくと語った。
ARX Virtual Editionは、中小規模企業などの小規模な単位でのファイルストレージ仮想化環境を実現するソフトウェア。汎用サーバを活用することで通常のARXアプライアンスよりも低コストでファイルストレージ仮想環境を実現する。トライアル版、製品版、OEM版の3種類が用意されている。
また、既存のファイルサービスAPI「F5 iControl」をサードパーティー製品に組み込めるように無償で提供開始することも発表した。
F5ネットワークスジャパンの代表取締役社長 長崎忠雄氏は「多くの企業はいきなりクラウド環境に移行することはできない。既存資産を活用してファイルデータの管理を効率化するソリューションを提供していく」と語る。今回の新製品の投入で、中小規模の企業までターゲット層を広げ、「2011年度のARX事業の売り上げを前年度比2倍、顧客数を同3倍まで拡大する」という目標を掲げた。
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