F5がストレージ仮想化装置、ファイルの階層管理を自動化NEWS

F5ネットワークスはマルチベンダーのNASを仮想化し、ストレージ間のデータ移行を円滑にするアプライアンスをリリース。WAN高速化製品などとの組み合わせで販売促進を図る。

2008年01月24日 18時53分 公開
[堀見 誠司,TechTarget]

 F5ネットワークスジャパンは1月24日、ファイルストレージ仮想化装置「F5 Acopia ARX」の概要や販売戦略を報道関係者に説明した。同製品は、複数のNAS(Network Attached Storage)やファイルサーバを仮想化、ファイルアクセスを束ねることでマルチベンダー環境下のストレージ管理を容易にする。

 Acopia ARX(以下、Acopia)は、米F5 Networksが2007年9月に買収した米Acopia Networksの製品で、ファイルシステムの異なるNASやファイルサーバを論理的に単一のストレージプールに見せる機能を持つアプライアンス。CIFS(Common Internet File System)やNFS(Network File System)といったファイル共有プロトコルによるクライアントからのアクセスに対してプロキシとして動作し、ファイルサーバ間のデータ移行などを自動化することができる。

画像 Acopia ARXシリーズ

 特徴は、ポリシーに基づいてデータを自動的に移動させるILM(情報ライフサイクル管理)対応機能。ストレージ内にあるファイルの格納場所、更新情報、種類やサイズなどをメタ情報としてAcopiaが管理しており、例えば一定時間更新されない、アクセス頻度の低いデータを、メインの高性能のストレージから別の性能の低いストレージへと、ユーザーが定義したルールに従って自動的に移行させるといったストレージの階層管理が可能となる。さらに、複数のストレージ装置のCPU負荷やディスク容量を参照して書き込み処理を分散し、データ容量が均一になるようにするロードバランス機能も備える。

画像 「通常のストレージデータの80〜90%は安価なストレージ層に移行できる」とウォズウォース氏

 来日したF5 Networks マーケティング担当シニアディレクターのカービー・ウォズウォース氏は、Acopiaによるストレージ仮想化機能を同社が注力するアプリケーション配信ソリューション(ADN)の「拡張」として位置付ける。「F5のWAN最適化製品『WANJet』と連携させれば、WAN越しのレプリケーションや災害復旧対策が強化される。ADNの一ソリューションとして複合的に提案していくことで、Acopiaの販売を強化したい」と話した。

 Acopiaは、処理できるファイル数によって、小規模向けの「ARX 500」、中規模向けの「ARX 1000」、大規模・データセンター向けの「ARX 6000」の3モデルが用意される。製品は2007年12月17日より販売中で、価格は660万円から。

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