静岡県内の3つの中核病院と13の診療所を対象にした電子カルテ情報の連携基盤を構築。4月の本稼働後は、県内全域をカバーする地域医療連携システムの基盤整備を進める。
地方独立行政法人静岡県立病院機構(以下、静岡県立病院機構)は3月10日、地域医療連携システム「ふじのくにバーチャル・メガ・ホスピタル」(略称、ふじのくにねっと)を構築し、2011年2月より3つの中核病院(静岡県立総合病院、藤枝市立総合病院、焼津市立総合病院)と13の診療所で実証実験を行っていたことを発表した。2011年4月に本稼働を予定している。
ふじのくにねっとは、総務省の地域ICT利活用広域連携事業の委託を受け、静岡県立病院機構と富士通が共同で構築した地域医療連携システム。富士通の地域医療連携のパッケージをベースに構築しており、複数の中核病院や診療所などで電子カルテシステムの情報を共有できる。
富士通によると、このシステムを活用することで一貫した医療サービスの提供が可能となり、医師不足や医療サービスの地域格差の補完が図れるという。また、急性期医療を担う中核病院と初期医療を担う診療所との役割分担や連携などが強化され、中核病院の医師の業務負荷を軽減し、医療サービスの改善が期待できるとしている。さらに、医療機関間の紹介状や返書の作成、送付などもオンラインで実施でき、その作成業務や管理業務の効率化を支援する。その他、大規模災害時には他地域や病院から受け入れた患者の過去の診療情報をオンデマンドで確認できるなど、より迅速な診療が可能になるという。
静岡県立病院機構は現在、県内のデータセンターに全国初となる県全域をカバーする地域医療連携システムの基盤を整備している。2016年度までに全8医療圏にまたがる県全域の医療関連機関の参加を目標としており、27の中核病院、210の診療機関がその対象となる。
今後、静岡県立病院機構では、ふじのくにねっとのクラウド型のデータセンター化を視野に入れている。さらに、介護施設や薬局などの医療関連機関にも連携先を広げていく予定だ。
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