最初から完璧を求めない災害対策を  シマンテックが提案NEWS

シマンテックが中小規模の企業システムを対象とする災害対策を提案。同社のバックアップツール群による遠隔地へのデータバックアップ手法を活用する。

2011年08月11日 14時00分 公開
[翁長 潤,TechTargetジャパン]

 シマンテックは8月10日、バックアップツールを活用した災害復旧(DR)対策ソリューションに関する報道機関向けの説明会を開催した。

photo シマンテックの浅野氏

 シマンテックのプロダクトマーケティング部 プロダクトマーケティングマネージャ 浅野 百絵果氏は「DR対策というと、多くの企業が複数拠点サイトの構築のような高水準・高コストの対策をイメージし、最初から完璧な対策をしなければならないと考える傾向にある」と指摘した。

 また、シマンテックが実施した調査によると「中堅・中小(SMB)企業や地方支店などではバックアップの頻度や適用範囲が不十分で、災害発生時には44%の企業が40%以上のデータを失う危険性がある」という。その上で「システム障害による事業の中断を防ぐためには、遠隔地にデータを保管する必要がある」と語った。限られたコストを考慮すると、容易でかつ低コストで実現する手段として「まずはバックアップツールを活用したDR対策を構築するべきだ」としている。

photo シマンテックの災害対策ソリューション

 浅野氏は以下5つの災害を想定したバックアップ手法を説明した。いずれも同社のバックアップツール群「Symantec Backup Exec 2010」(以下、Backup Exec)、「Symantec NetBackup」(以下、NetBackup)、「Symantec System Recovery」(以下、System Recovery)を活用する。

シマンテックが提案する5つのバックアップ手法
  シナリオ 対応方法 主なメリット 主なデメリット
1 テープなどの可搬メディアを遠隔地に保管 Backup Exec Windowsサーバ保護に適している
テープローテーションやスケジュール管理が直感的な操作で可能
保管場所の確保や輸送コスト、リカバリに時間がかかる
2 重複排除を使って遠隔地にバックアップ NetBackup ネットワーク経由のバックアップで作業負荷を軽減
バックアップ対象データ量を削減
ネットワーク帯域幅や回線使用による実務への影響
データの冗長性の確保が難しい
3 重複排除でのバックアップデータの複製 NetBackup、Backup Exec 異なる拠点のストレージ間でストレージプールの共通化が可能
業務サーバへの負荷を軽減
複数拠点でストレージ環境を構築する必要がある
4 クラウドストレージへのバックアップ Backup Execのオンラインストレージ「Nirvanix」への連携オプション 災害に備えたデータ退避が可能 セキュリティへの担保
5 小規模および拠点にあるPCとサーバなどのシステムバックアップ System Recovery OSやアプリケーションなどのシステムとデータを丸ごとバックアップ可能 他ツールよりも搭載機能を抑えている

 浅野氏は、同社のバックアップ手法を利用した導入事例を説明。アジア太平洋地域の5つの拠点にあるデータを重複排除したバックアップによってデータ量を7分の1まで圧縮したアクテリオン ファーマシューティカルズ ジャパン、従来4時間かかっていたシステムのリストアを15分で完了できた日能研などを紹介した。

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