高品質なWebページを実現できる一方でハッカーに悪用されるケースの多いJavaScript。企業はその存在を完全に無効にすべきかどうか、必要なセキュリティ対策も踏まえて検討する。
JavaScriptは、最も利用されているWebサイトスクリプト言語だ。Webブラウザ上で動作し、HTMLのみの場合に比べてはるかに動的なページを実現できる。一方でハッカーにとっては、ブラウザを乗っ取り、不正な操作を実行できる存在でもある。
JavaScriptが攻撃に悪用されるケースが多いためクロスサイトスクリプティング(XSS)をはじめ、さまざまなインジェクション攻撃に利用されている、ブラウザベンダーは一層のセキュリティ対策が求められている。本稿では、JavaScriptのセキュリティ対策を幾つか紹介する。また、企業はJavaScriptを完全に無効にすべきかどうかについても検討する。
JavaScriptのセキュリティ対策の1つは、不正コードが埋め込まれている既知のサイトへのユーザーアクセスを防ぎ、コードが実行される機会そのものを絶つことだ。MicrosoftのInternet Explorer(IE) 8とIE 9はURLをフィルタリングするSmartScreen機能を利用し、Firefox、Safari、ChromeはGoogleのSafeBrowsingを採用して、同様の処理を行っている。仕組みは、まず上記のようなレピュテーションベースのシステムがインターネット上の不正なWebサイトを検索し、検索結果に従ってサイトのコンテンツにフラグを付ける。次にユーザーがリクエストしたURLのレピュテーション情報をブラウザが要求し、危険を示すフラグがコンテンツに付けられている場合は、ユーザーに警告を表示する。
IE 9にはXSSフィルタ機能も実装されている。この機能は、Webサイトからの他のWebサイトに対する動作を分析し、疑わしいスクリプトコードが別のサイトに混入することを防ぐ。Chromeにも同様の機能がある。Firefoxの場合はNoScriptプラグインをユーザーがインストールする必要がある。ただし、いずれのコントロールでも、ブラウザがサーバの意図とは違う形でコンテンツを解釈する可能性があるため、信用できないコンテンツを適切に除外することは難しい。実際、Samyワームはこの矛盾を突き、(MySpaceサイトで入力検証時にブロックされる)単語「JavaScript」を「Java」と「Script」の2つに分けることで、CSSタグ内にコードを混入させた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
お知らせ
米国TechTarget Inc.とInforma Techデジタル事業が業務提携したことが発表されました。TechTargetジャパンは従来どおり、アイティメディア(株)が運営を継続します。これからも日本企業のIT選定に役立つ情報を提供してまいります。
新富裕層の攻略法 「インカムリッチ」の財布のひもを緩めるマーケティングとは?
パワーカップルの出現などでこれまでとは異なる富裕層が生まれつつあります。今回の無料e...
ブラックフライデーのオンラインショッピング 日本で売り上げが大幅に増加した製品カテゴリーは?
Criteoは、日本国内のブラックフライデーのオンラインショッピングに関する分析結果を発...
Omnicomが Interpublic Groupを買収 世界最大級の広告会社が誕生へ
OmnicomがInterpublic Group(IPG)を買収する。これにより、世界最大の広告会社が誕生し...