MicrosoftとGoogleのビッグデータ計画【後編】
Google Fusion TablesでGoogleが示すビッグデータ活用の未来
後編ではGoogleのビッグデータ活用サービスを紹介。Google DocsやGoogle Mapとの連携で、ビッグデータの先進的な活用方法を示している。
Google Baseは過去のもの
Microsoftのスティーブ・バルマーCEOいわく、「実際のところ、MicrosoftとGoogle以外に、ビッグデータを扱える企業はない」。前編「Microsoftのビッグデータ投資の成果がいよいよ形に」では、Microsoftが提供するビッグデータ活用ソリューションの詳細を紹介した。後編ではGoogleのサービスを紹介しよう。
Google Baseは、GoogleのBigTableテクノロジーをベースとする初のWebアクセス型非リレーショナルデータ管理システムだった。Googleが2005年にGoogle Baseのβバージョンを発表したときは注目を集めたが、制限の多いスキームや貧弱なパフォーマンスに初期ユーザーは次第に幻滅を感じるようになった。
筆者が初めて不満を口にしたのは、汎用クラウドデータストアとしてGoogle Baseを使ってみようとトライしたときだった。Googleは2010年9月、Google BaseをGoogle Product Search用のデータストアとしてMerchant Centerへ移行し、その年の終わりのGoogle Shopping APIの登場を待ってGoogle Baseの終わりを告げる鐘を鳴らした。
Google Fusion Tablesへと希望をつなぐ
Google Labsが2009年に公開したGoogle Fusion Tablesの無料β版は、データセット当たり最大100Mバイト、またユーザー当たり最大250MバイトのCSVファイルをアップロードおよびダウンロードできる。ユーザーはそれらのファイルを公開、あるいは他のユーザーと共有することが可能だ。ところが、こうしたストレージの容量も、ビッグデータプロジェクトのプロダクションであるFusion Tablesを利用するには、あまりにも少な過ぎる。ストレージの制限は、少なくとも4桁のオーダーで拡大される必要があるだろう。
ユーザーはデータにフィルタをかけたり、集積したり、Google Mapsやその他のGoogle Visualization APIで提供される手法でビジュアル化できる。Fusion Tablesでは、データセットや個別アイテムの注釈も可能だ。ユーザーはプライマリキー値によって、テーブルを結合あるいは連結させることもできる。
ブログメディアGoogle Operating Systemsの2010年11月の記事によると、Fusion Tablesは同年9月にGoogle Labsを「卒業」しており、Google Docsアプリケーションに組み込まれるという。「Google DocsはドキュメントタイプのリストにFusion Tablesを含み、Fusion Tablesのアイコンも用意している。ユーザーは既にGoogle Spreadsheetsからテーブルをインポートし、Google Docsと同じように作業を共有することが可能だ」としている。「卒業」とは、Fusion Tablesが、Google Labsを閉鎖へと導いたラリー・ペイジCEOの2011年7月の死刑宣告「More wood behind fewer arrows」から逃れたことを意味する。
Fusion Tablesの最も興味深い利用方法は、ジオコードデータをビジュアル化するGoogle Maps JavaScript API v3との統合だ。Viswaugと名乗るソフトウェア開発者は個人ブログVishful Thinkingでこう指摘している。
「MapとIntensity Mapテーブルデータには、全てのGIS関係者が特別な興味を持っている。それはマッピングデータ処理を本当に簡単にする。Fusion TablesのLocationフィールドタイプは、ストリートアドレス文字列とジオメトリクスのKML文字列表記の両方をサポートしている。ストリートアドレスをLocationフィールドに入力すると、自動的にジオコード化され、マップビジュアル化で表示可能になる」
図1は、Fusion Tablesサイトが提供する107のパブリックデータセットの1つをベースに、2006年12月以降に発生したメキシコ麻薬戦争がらみの殺人事件の地理的分布を示している。
その他のFusion Tablesプロジェクトとしては、一連のリポートの当落予想を反映させた上院、下院、州知事選の最新情報を表示できる2010 U.S. Election Ratingsデータが含まれる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
新着ホワイトペーパー PR
-
製品レビュー
[ヴィーム・ソフトウェア株式会社] SCS評価制度を導入するだけで十分? 組織の防御力を高める活用方法とは -
技術文書・技術解説
[フォーティネットジャパン合同会社] AIランサムウェアに勝つ 自律型エンドポイント管理導入で確認すべき条件4つ -
技術文書・技術解説
[フォーティネットジャパン合同会社] LLMが兵器化? 元FBI高官が鳴らす警鐘とセキュリティツール統合のポイント -
製品レビュー
[ネットアップ合同会社] 研究分野でAI活用が進まない? 真の成果につなげるデータ管理の在り方とは -
製品レビュー
[ヴィーム・ソフトウェア株式会社] SCS評価制度を導入するだけで十分? 組織の防御力を高める活用方法とは
こんなメディアも見られています
TechTargetジャパンに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
ベンダーコンテンツ PR
From Informa TechTarget
SpecialPR
アクセスランキング
-
1
情シスの約8割が転職や退職を意識 調査で分かった“辞めたくなる最大の理由”
-
2
VMware離れの決め手は“機能”以外だった 情シス109人が選んだ新基準と死角は
-
3
二極化する生成AI活用 「一部の社員しか使いこなせない」をどう解消すべきか
-
4
IBM iのブラックボックス化を打破 資産継承と進化を実現する「IBM Bob」の実力
-
5
「Apple Watch」、読者の95%は「仕事で使える」、5%は何に不満?
-
6
「クラウドDR」4大基礎用語 クラウドバックアップやDRaaSとの違いは?
-
7
高機能化が進む“タブレット型電子カルテ”は次の段階へ
-
8
Claude Opus 5.5、GPT-6 Sol/Luna登場 情シスが迫られるモデル使い分け
-
9
「ERP(統合基幹業務システム)の導入・活用」に関するアンケート
-
10
Claude Codeでは「エージェントを作るな、スキルを作れ」 Anthropicが示すAI構築術
ホワイトペーパーランキング PR
-
1
登録セキスぺが語る「SCS評価制度」の舞台裏 星を取得すべき理由と対応のコツ
-
2
JR西日本ITソリューションズが「監視業務の属人化」を解消した方法とは?
-
3
OSSでは困難 100超のサービスを持つマネーフォワードが実践した統合監視術
-
4
「改正物流効率化法対策」徹底解説 総物流費を抑制するサプライチェーン戦略
-
5
月1000枚の紙を削減 9年動けなかった組織が、業務改革のその先に得たもの
-
6
ネットワーク遅延の原因、「パケットロス」の基礎知識と効果的な解決策
-
7
ドラマで分かる、標的型攻撃メールの被害を受ける企業と回避できる企業の分岐点
-
8
Windows PCとMacの選択制で生産性向上 LINEヤフーが実践する運用管理方法とは
-
9
「Google Workspace」活用事例34選、先進の生成AIによる組織変革の全貌
-
10
ソフトウェア開発の属人化と手戻りをどう防ぐ? 速さと品質を両立させる方法
TechTargetジャパン SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
TechTargetジャパンをフォロー