医療機関の電子化メリットである「ペーパーレス化」だが、複雑なワークフローを完全にペーパーレス化できるシステムはない。紙とデジタルの両方を用いるワークフローを構築するのが現実的だ。
もしあなたが病院の電子健康記録(EHR)ワークフローを管理しているなら、いまだにさまざまな紙を必要とする人がいて、そうした紙からEHRにデータを移す作業に頭を抱えているはずだ。恐らく、その人は入院患者の問診票や手術同意書を手書きしているのだろう。あるいは、病床数400床の病院、Tri-City Medical Centerのケースのように、リモートクリニックの専門医たちがEHRに接続するための相互運用性ソフトウェアを使おうとせず、患者の記録や報告書をMicrosoft Wordで作成し、プリントアウトして診療情報管理(HIM)スタッフに手渡ししているのかもしれない(関連記事:緊急医療に使えるデジタルペンは医療業界に浸透するのか?)。
それがいま進行する医療IT改革の実態だ。複雑な病院のワークフローを完全にペーパーレス化するEHRシステムは1つもない。たとえあるにしても、ペーパレスワークフローを可能にする機能を十分活用できる病院は、まだないだろう(関連記事:効率的な紙カルテのデジタル化がペーパーレスを成功に導く)。また多くの病院で見られるように、医者が複数のEHRベンダーのシステムを利用して、物事を複雑にしている場合もある。その結果は? いまだにシステムの周辺で紙が飛び交っているのだ。
それらの紙をスキャンしてEHRに取り込めば、医師や看護師がデジタルベースでアクセスできるようになり、有意義な利用方法を確立して、CMSインタラクティブの成果を挙げることが可能になる。Tri-Cityの医療記録運用管理者のテリー・ハーツェル氏によると、紙とデジタルの両方を利用する病院のハイブリッド型ワークフローでは、EHRシステムにスキャンする前に、全てのページにバーコードを添付することで大幅に効率を上げ、正確性を向上できるという。
「正しい方法で行えば、バーコードは全ての要求を満たしてくれる」とハーツェル氏は、米健康情報管理協会(American Health Information Managers Association)第83回大会でのプレゼンテーション終了後、米TechTargetに語った。
ハーツェル氏と、共同プレゼンターのメディカル記録スキャニングサービス会社Integrity Health Information ServicesのCEO、コニー・レンダ氏は、紙の書類をスキャンしてネットワークに取り込むとともに、リサイクルできるシステムを構築することで、Tri-Cityをオールペーパーフローからオールデジタルワークフローに転換した。両氏は自らの体験から、次のようなベストプラクティスを公開した。
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