政府・民主党が掲げる2020年までの成長戦略「日本再生戦略」。重点分野に掲げられた医療・介護分野は今後どうなるのか? 近年注目されている在宅医療におけるICT市場の動向を考察する。
テクノ・システム・リサーチは2012年6月、市場調査リポート『在宅医療・介護支援ソリューション市場調査』を発表した。このリポートは、在宅医療・介護分野における医療機器やサービスの技術的進歩、システムの連携状況、メーカーに対する介護事業者や在宅医療機関の要望などをまとめたものだ。この調査を踏まえて、同社は介護支援・在宅医療におけるICTサービス市場の需要を分析、予測している。本稿では、調査を担当した高相 緑氏が在宅医療ICT市場の動向や介護との連携、注目技術や製品などを解説する【編集部】。
2012年度の診療報酬改定では、重点課題の1つに「医療と介護の役割分担の明確化、地域における連携体制の強化、在宅医療などの充実」が掲げられた。近年、在宅医療に対する政策の後押しは手厚く、注目度は増している(関連記事:2012年は「地域包括ケア元年」 医療・介護連携の今後)。在宅医療ICT市場は政策の後押しに加えて、外出や通院が困難な高齢者の増加、在宅医療に対するインフラ整備の拡大などで徐々に増加すると予想される。
在宅医療ICTは現在、電子カルテがメインだが、iPadなどのモバイル端末の普及で患者への説明に利用したり、服薬管理などの新しいICT関連サービスが増えている。在宅医療ICTサービスの市場規模は2011年時点では約29億円だが、今後は複数の新規サービスの登場によって前年比成長率が130%となり、2016年には約93億円まで成長すると見込んでいる。
しかし、日本国内に約1万件登録されている在宅支援診療所の中で、実際に在宅医療を行っている診療所の割合は約半数とも言われている。さらに在宅医療におけるICT利用は一部の先進的なクリニックで取り組まれているが、それほど進展していないのが現状だ。
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