富士ゼロックス、紙文書や電子データなどの診療記録を統合管理するソフトウェアを発売NEWS

電子カルテや検査結果リポートなど各種文書を統合的に管理。3種類のビュワーによって用途に応じたデータ表示や文書検索などができ、今回からPDF形式での保存も可能になった。

2012年10月30日 22時00分 公開
[TechTargetジャパン]

 富士ゼロックスは10月29日、病院内に散在する多種多様な診療記録を統合管理するソフトウェアの最新版「Apeos PEMaster ProRecord Medical 1.1」の販売を開始した。富士ゼロックスによると、前バージョンを導入した施設からのフィードバックを踏まえ、大量の診療記録の処理スピードを改善した他、新機能を搭載したという。

 Apeos PEMaster ProRecord Medical 1.1では、導入病院ごとに個別契約で提供していた3種類のビュワーを標準搭載。「マトリックスビュー」「ツリービュー」「フォーカスビュー」などを病院のニーズに合わせて利用できる。

 マトリックスビューは、特定患者の全診療履歴を時系列に表示。診療科の受診歴や治療/手術後の検査、病変などを確認できる。ツリービューは、紹介状や報告書などの文書を、ツリー構造に沿って診療科別や日付別、文書種別などで素早く検索できる。フォーカスビューは、複数の文書を並べて表示する。診療記録と検査リポートを比較したり、退院時サマリーを見ながら詳細リポートを確認したりすることが可能だ。

photo マトリックスビュー

 また、Apeos PEMaster ProRecord Medical 1.1では、富士ゼロックス独自の「仮想プリンタ」技術を搭載。前バージョンまでは、電子カルテや各検査システムなどの文書データを電子化する際、スキャンした文書やWebページ、Microsoft Word、Excel、PowerPoint、画像や各種データなど、異なるアプリケーションのデータファイルを簡単に一元管理する「DocuWorks形式」で保存していたが、今回はこれに加えてPDF形式のデータ保存も可能になった。

 同社によると、いずれの保存形式を選択した場合でも、厚生労働省のガイドラインに示された電子保存に関する要件を満たしているという。これにより、原本性を確保した状態で各種文書を長期間安全に保存し、閲覧できるとしている。

 Apeos PEMaster ProRecord Medical 1.1は、新規購入のみ。既存システムからの移行については別途対応する。提供価格は対象病院の病床規模によって異なる。また、ハードウェアやコンサルティング、システム構築費用などが別途掛かる。

Apeos PEMaster ProRecord Medical 1.1の提供価格
施設規模 300床クラス 600床クラス 1000床クラス
使用許諾料金 1400万円 2000万円 2500万円
1年間の保守料金 210万円 300万円 375万円

 富士ゼロックスは、同製品を「診療記録統合管理ソリューション」のプラットフォームと位置付けている。診療記録統合管理ソリューションは、ドキュメントをベースとした診療記録管理のコンセプト「Document Archiving and Communication System」を実現するというものだ。

photo 「診療記録統合管理ソリューション」の全体的な概要と「Apeos PEMaster ProRecord Medical 1.1」の提供範囲のイメージ

 診療記録統合管理ソリューションによって、診療記録を汎用的な文書形式で統合管理し、患者の全診療履歴の確認や関係者間での共有などのニーズに応えるという。さらに、記録管理業務における生産性の向上や説明責任への対応など、病院経営の課題解決を支援するとしている。

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