【連載コラム】医療ITの現場から
診療科別IT化のポイント(1)――内科、小児科、整形外科、皮膚科 編
診療スタイルが診療科ごとに異なるように、IT化のスタイルも診療科によって違ってくる。例えば、内科における電子カルテ導入では「検査機器との連携」や「機能の豊富さ」などが最適なIT化を実現する。
診療科別にIT化のポイントを解説
診療科ごとに診療スタイルは異なるように、IT化のスタイルも診療科で違ってきます。今回から2回にわたり、診療科ごとに最適なIT化を実現するポイントを8つの診療科別に紹介します(関連記事:診療科別に最適なIT化を実現する5つのポイント)。
内科診療所の場合
内蔵系の疾患を取り扱う内科では、病変把握のためにさまざまな検査が実施されます。そのため、CR装置や内視鏡、エコー、心電計、眼底カメラといった検査機器との連携が重要となります。まずは基本的な組み合わせとして、電子カルテと医用画像ファイリングシステム(PACS)との連携がポイントになると考えます。
また、電子カルテを導入する際には、その「機能」面を重視した方がよいでしょう。他科と比べて診察疾患の範囲が広いため、より多くの機能を備えた電子カルテの方が診察効率の向上を支援できるからです。例えば、紹介状や診断書といった各種文書の作成支援や検査データの管理機能などが挙げられます。また、内科で用いる薬剤の品目や使用量が他の科に比べて多いため、薬剤の処方チェックや医薬品情報データベースとの連携なども重要です。
さらに最近は、在宅療養支援診療所など在宅医療に取り組む診療所も増えてきました。院外でも電子カルテの情報を入力・参照可能なモバイル端末の活用ニーズも増えています。
小児科診療所の場合
最近は、0歳から15歳程度までを診察対象としている小児科。小児科の特徴として、処置が多かったり、患者がじっとしていないこともあるなど、1人の診察に手間がかかる点が挙げられます。そのため、より検査時間が短くて済むCRの導入が進んでいる診療科でもあります。また、アレルギー疾患や皮膚の炎症などの疾患を診察することも多く、デジタルカメラで撮影した画像データを電子カルテに取り込みたいというニーズも多くあります。
さらに、診療予約システムの導入率が高いことも特徴の1つです。その理由は、母子検診や小児検診など検診やワクチン接種などの時間枠が設定されていたり、感染症の防止のため患者同士を隔離する必要があるなど、以前から診察の予約受け付けによる運用が行われているからです(関連記事:診療予約システムの選定で重要な5つのポイント)。
小児科における電子カルテの選定ポイントとしては、より少ない操作で入力が完了する「操作」面を重視すべきです。また、小児科特有の「力価処方」「体重計算」「成長曲線」などの機能を備えているとさらによいでしょう。
整形外科診療所の場合
整形外科診療所では、まず「運動器リハビリテーション料」の施設基準を考える必要があります。その基準(なし/1/2)によって運営スタイルが大きく変わるからです。
また、IT化については電子カルテと「リハビリシステム」との連携を考慮する必要があります。電子カルテにリハビリ管理機能(リハカルテ)があるかを確認した方がよいでしょう。リハビリ経過の診療録となるリハカルテについては、専用機能を提供していたり、対応テンプレートを用意するなど、電子カルテによってその対応方法はさまざまです。また、X線装置やCR装置などの機器連携も重要です。さらに、骨折や筋違いといった部位の詳細な情報をカルテに記載する必要があるため、シェーマ機能の使いやすさも求められます。
その他、リハビリスタッフなどの院内スタッフが他科に比べて多いため、電子カルテ端末数が増える可能性があります。運用コストを考慮してIT化を進めるかどうかを判断することも重要なポイントになります。
皮膚科診療所の場合
皮膚科診療所は、他科と比べて連携する医療機器は多くありません。よく使われているのは、デジタルカメラの画像データです。この画像をいかに簡単に電子カルテに取り込むことができるかが重要になります。また、その画像をシェーマとして利用したいというニーズにも対応する電子カルテを選ぶ必要があります。
さらに、皮膚科は処置が多い科の1つです。処置をしながらカルテを書くのは非常に難しいために、簡単な操作が重視されます(関連記事:褥瘡患者の診療に役立つiPhone/iPod touchアプリ「褥瘡ナビ」)。
次回は、耳鼻咽喉科や眼科、心療内科、産婦人科における診療所のIT化ポイントを紹介します。
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