企業ITとクラウド基盤、最大の違いはアプリケーションにあり企業ITとパブリッククラウドの違い【後編】

パブリッククラウドプロバイダーとユーザー企業ではITのアーキテクチャの在り方が大きく異なる。アプリケーションレイヤーではどのような違いが見られるのか。米Gartnerの調査担当者が語る。

2013年02月05日 08時00分 公開
[Alex Barrett,TechTarget]

 前編「Gartnerが語る、企業ITはパブリッククラウドに近づけるのか」では、パブリッククラウドプロバイダーとユーザー企業のアプローチの違いについて、サーバストレージ仮想化データセンター設備といった観点で比較した。後編ではアプリケーションと継続性の観点で比較する。

アプリケーション

 前編「Gartnerが語る、企業ITはパブリッククラウドに近づけるのか」で紹介した革新的手法はいずれも、アプリケーションの設計に対するパブリッククラウドプロバイダーのアプローチが従来と大いに異なることに起因するものだ。

 米Gartnerの調査担当副社長レイ・パケット氏は、「クラウドで真に変革的なレイヤーはアプリケーションレイヤーだ。アプリケーションレイヤーがわれわれをクラウドに向かわせ、われわれに最大のアジリティを与えてくれる」と語る。

 クラウドアプリケーションと一般的な企業アプリケーションでは、作業負荷が根本的に異なる。クラウドアプリケーションはスケールアウトでき、互いにデータを共有せず、ステートレス(Stateless)で非同期通信を行うよう設計されている。それにより、結果的に一貫性が保たれ、結果整合性(イベンチュアルコンシステンシー)を実現できる。クラウド設計者はパフォーマンス強化のためにアプリケーションの階層化やキャッシングを用いる他、SSDFlashなどのハードウェアを追加して、パフォーマンスとレイテンシを改善する。

 ただしここでも、環境を過剰に整備することのないように、リソースを賢明に使うことが重要となる。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ITmedia マーケティング新着記事

news055.jpg

トランプ氏当選でイーロン・マスク氏に追い風 過去最高の投稿数達成でXは生き延びるか?
2024年の米大統領選の当日、Xの利用者数が過去最高を記録した。Threadsに流れていたユー...

news104.jpg

トランプ氏圧勝で気になる「TikTok禁止法」の行方
米大統領選で共和党のトランプ前大統領が勝利した。これにより、TikTokの米国での将来は...

news190.jpg

インバウンド消費を左右する在日中国人の影響力
アライドアーキテクツは、独自に構築した在日中国人コミュニティーを対象に、在日中国人...