米Microsoftは2013年1月24日、Windows 8のライセンス販売数が6000万本に達したと発表した。だが、それらのうちのどれだけがビジネスライセンスなのか、詳細は明らかにしていない。これを受けて、「Windows 8の企業導入はMicrosoftが主張するほど進んでいないのではないか」と疑う向きもある。
事実、リリース後の2カ月間を見る限り、現場のITプロフェショナルたちの話や、調査会社の収集したデータは、Windows 8の導入がWindows 7のときより緩慢であることを示している。調査会社の米Net Applicationsによると、発売2カ月後のWindows 8のシェアは1.72%。それに対し、発売後3年を過ぎているWindows 7は45.11%、Windows XPは39.08%のシェアを維持している。あの忘れ去られたWindows Vistaですら、いまだに5.67%のシェアを占めているという。
ベルギーのMicrosoft認定ゴールドパートナー、ミヒャエル・ヴァン・ホーレンベーク氏は、「残念ながら、Windows 8に移行した企業がまだ多くないのは事実だ」と語る。実際、リリース直後の同時期で比較すると、Windows 8の導入率はこれまでのバージョンよりも低調だ。アイルランドの調査会社、StatCounter Global Statsの報告によると、発売1カ月後のWindows 8のシェアは1.31%。それに対してWindows 7は4.93%までシェアを伸ばしていた。
ホーレンベーク氏は、「その理由の1つは、Windows 8はタッチインタフェースをはじめ、Windows 7とは使い勝手が大きく異なるからだ」と指摘する。ユーザー企業の間では「Windows 8はタッチ対応ではないハードウェアでも動作するが、マウスを動かすよりタッチスクリーンでの利用に向いている」と指摘する声も多い。
調査会社の米Creative Strategies 主任アナリスト、ティム・バジャリン氏は、「Windows 8はタッチ非対応のデスクトップPCやノートPCではうまく機能しない。Windows 8への移行にはユーザーに新しいインタフェースに慣れてもらうだけでなく、使いこなせるようになるまでの学習曲線を通過してもらう必要もある」と指摘する。
一方で、Windows 8の市場は2013年に成熟し、多くの人々の興味を引き付けるようになると見る向きもある。
コンサルティング会社の米Pund-ITの主席アナリスト、チャールズ・キング氏は、「Windows 8への移行を検討している企業は今のところそれほど多くない。だが多くの人々は、2013年の第1四半期にも機能強化が施されることを期待しているはずだ」と語る。
英国のITソリューションプロバイダーであるNTTXのマネージングパートナー、フィリップ・モス氏も、「このOSをサポートする新しいデバイスが増えるとともに、Windows 8の需要は大きく拡大する」と予測する。「実際、私のクライアントの多くがiPadを使ってきたが、最近はWindows 8ベースのデバイスに押され、iPadは減少しつつある」という。
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