5年では長過ぎる――サーバ更新頻度を短くする5つのメリットより長くハードウェアを活用するには

従来、ハードウェアの更新は約5年間隔が一般的だった。しかし、仮想化技術の普及や省電力性などを背景にその更新サイクルは短縮されている。そこで得られるメリットを紹介しよう。

2013年04月02日 08時00分 公開
[Stephen J. Bigelow,TechTarget]

 どのデータセンターでも、サーバやその他の重要なハードウェアを定期的に更新するサイクルを設定している。企業はその更新サイクルに従って新しい機器を展開し、信頼性の向上と新しい機能の実現、さらに運用コストの削減を図ることができる。

 従来は約5年おきの更新が一般的だったが、この10年間で更新サイクルは短縮されてきている。すぐにサーバを更新すべきだと簡単には判断できない場合もあるが、更新サイクルを短くすることで得られる重要なメリットを以下に紹介する。

1. サーバを更新することで新しい機能を実現できる

 新しい機種やモデルを導入することで、既存のサーバでは実現が難しい機能や不可能なことを実現できるのであれば、サーバの更新を検討しよう。例えば、数年前まで仮想化は重すぎて運用しづらかったが、「Intel VT」や「AMD V」といった仮想化支援技術が開発されており、仮想化拡張機能に対応したCPUを搭載したサーバに更新すると、仮想マシン(VM)のパフォーマンスが劇的に向上したのは記憶に新しい。

 このような機能向上はプロセッサの技術の進歩だけでなし得るものではない。VMは基本的にサーバメモリ内のディスクイメージであるため、メモリも仮想環境で運用されるサーバの重要な機能の1つだ。メモリが多いほど統合のレベルも上がり、メモリの信頼性はそのサーバ上の全てのVMの全体的な信頼性に影響する。そのため、ある1つのメモリで発生した複数ビットエラーをメモリバンクに含まれる全メモリでカバーする高度なエラー訂正コード、あるメモリで訂正不能なエラーが発生した場合に予備のメモリを割り当てることができるスペアメモリ(メモリスペアリング)、複数のメモリに全く同じデータを格納することでフォールトトレランスを実現する(「RAID 1」のメモリ版といえる)メモリミラーリングなどの機能を搭載しているメモリもある。

 将来的には、新しいメモリタイプに対応した新しいチップセットのサポート、I/Oの高速化、バスの高速化などの機能強化が含まれるだろう。

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