多くの企業が従業員へのタブレット配布を検討している。そうした中、調査会社、米Moor Insight & Strategyのアナリストは、iPadではなくWindows 8タブレットを推奨している。
Moor Insight & Strategyのアナリスト、パトリック・ムーアヘッド氏は、「多くの企業がAppleのタブレットを選ぶ理由は十分理解できる」と話す。
「iPadが市場に登場してから数年、この製品のデザイン、バッテリー寿命、シンプルさ、価格のバランスは非の打ちどころがなかった。一方、Windowsを搭載したタブレットは、いずれも高価で使いにくく壊れやすかった」
しかしムーアヘッド氏によると、そうした状況はWindows 8のリリースと“Clover Trail”と呼ばれるIntelAtomプロセッサの登場で変化したという。この2つ技術の組み合わせで、「Apple製品と十分に競争できるタブレットを製造できるようになった」という。
同氏は、「タブレット導入を検討する企業は、まず『HP ElitePad 900』『Lenovo ThinkPad Tablet 2』、そして『Dell Latitude 10』をチェックしてみるべきだ」と推奨する。これらの製品はMicrosoftとIntelの最新技術を最も効果的に組み合わせているからだ。
また、どの製品も解像度やピクセル密度は低いとはいえ、iPadより大きなディスプレーを搭載している。Clover Trailプロセッサにより、バッテリー寿命でもiPadと肩を並べる。ITスタッフに頼めばバッテリー交換も可能と、iPadにはできないことばかりだ。さらにムーアヘッド氏は、AppleがiPadのシンプルさを優先して周辺機器のサポートに消極的な点も挙げる。その点Windows 8タブレットはUSBポートやSDスロット、ビデオ出力を標準装備している。
ムーアヘッド氏は「エンドユーザーが重視する機能に注目すれば、Windows 8タブレットとApple iPadはほぼ肩を並べる。しかし、大企業が求めるデバイス管理機能、セキュリティ機能を見ればMicrosoftのOSが一歩先行する」と指摘する。
これまで大企業はWindowsを搭載したノートPCやデスクトップPCを利用してきた。そのため、同じOSを搭載するタブレットであれば、セキュリティや管理に既存のツールを利用できるという優位性がある。この環境にiOSタブレットを組み込むとなると、IT部門は新しいツールを見つけなければならない。
ムーアヘッド氏は、「エンドユーザーはスタイル、シンプルさ、利便性を求め、IT部門はライフサイクルコストが最も低くなることを求める。例えば現行インフラと一貫性のあるセキュリティ、プロビジョニング、管理、配備、サポート、サービスなどを重視する」と解説。「双方のニーズを満たすベストな製品は、Windows 8を搭載したタブレットだ」と結論付ける。
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