【事例】協和発酵キリンが基幹系をAWS移行、「オンプレミスにはこだわらない」クラウドとの親和性高いアーキテクチャを生かす

協和発酵キリンはAWS上に疑似的な“プライベートクラウド”基盤を構築。基幹系を含めた業務システムの移行をグローバルに進める。「AWS Summit Tokyo 2013」での事例発表に独自インタビューを加えてリポートする。

2013年07月02日 08時00分 公開
[石田 己津人石田 己津人]
協和発酵キリン
情報システム部長 篠田敏幸氏

 高い新薬開発力で知られる製薬業の協和発酵キリンは、情報システム戦略でもユニークさが際立つ。80年代のホストコンピュータによる基幹システム構築以来、一貫して「データ中心アプローチ」を追求し、現在は「エンタープライズHub」と同社が称するデータハブシステムを中心に各種の業務システムが疎結合するアーキテクチャを構成している。データハブは、共通マスター(マスターHub)とオペレーショナルデータストア(TR-Hub)で構成される。後者は、各業務システムがトランザクションデータを格納し、交換するためのものだ。本稿では、協和発酵キリンが基幹系を含む業務システムをAWSへ移行した事例を紹介する。

 情報システム部長の篠田敏幸氏は「中核のエンタープライズHubでシステムインタフェースが確立しているため、周辺の業務システムは取り換え可能。形態はパッケージでもスクラッチでもよく、オンプレミスでもクラウドでもよい」と話す。つまり、もともと協和発酵キリンのシステムアーキテクチャはクラウドと高い親和性があった。クラウド化を指向するのは必然だったのだ。

図1 協和発酵キリンのデータハブを中核としたシステムアーキテクチャ

プライベートクラウドを実現できるVPC登場でAWS本格採用へ

ITmedia マーケティング新着記事

news047.jpg

SASのCMOが語る マーケティング部門が社内の生成AI活用のけん引役に適している理由
データとアナリティクスの世界で半世紀近くにわたり知見を培ってきたSAS。同社のCMOに、...

news159.jpg

SALES ROBOTICSが「カスタマーサクセス支援サービス」を提供
SALES ROBOTICSは、カスタマーサクセスを実現する新サービスの提供を開始した。

news139.jpg

「Fortnite」を活用  朝日広告社がメタバース空間制作サービスとマーケティング支援を開始
朝日広告社は、人気ゲーム「Fortnite」に新たなゲームメタバース空間を公開した。また、...