さまざまなパートナー企業とタッグを組み、企業システムに浸食する王者AWS。そのAWSに対抗すべく、多数のアップデートで挑む国内クラウド勢。クラウドEXPO 2013の模様をリポートする。
2013年5月8日〜10日に東京ビッグサイトで開催されたIT関連の総合展示会「2013 Japan IT Week 春」。この中で、4回目となる「クラウドコンピューティングEXPO(春)」が開催された。本稿では、主要パブリッククラウドサービスのアップデート情報や人気を集めていたブース内セミナーの内容を中心に取り上げていきたい。
2013年もひときわにぎわっていたのが、クラウド業界をリードするAmazon Web Services(以下、AWS)のブースだ。ERPベンダーのSAPジャパンはAWSブース内に、「SAP ERP」をAWSで稼働させる「SAP on AWS」(関連記事:【事例】「SAP on AWS」のメリットは? ケンコーコムの取り組みを見る)コーナーを設置。ハードウェアメーカーではネットアップがAWS向けの「NetApp Private Storage for AWS」を紹介していた。これは同社が2013年1月22日にリリースしたストレージソリューションで、自社内のネットアップストレージと、Amazon Direct Connect接続のコロケーション(Equinix)に設置されたネットアップストレージ間のデータを双方向に移動できるサービスだ。Amazon S3によるディスクベースの階層型バックアップ/リカバリ機能やAmazon EC2による仮想サーバ環境、Amazon EMR(Elastic MapReduce)によるビッグデータ分析と組み合わせれば、AWSの各種サービスを自社インフラとして使うことができる。
AWSの構築・運用サービスを手掛けるシステムインテグレーターでは、アイレット、リアルテックジャパン、サーバーワークスなどのコーナーが設置されていた。AWSを中心としたクラウド環境の導入・保守・運用サービス「Cloudpack」を提供するアイレットと、SAP基盤のシステム構築を得意とするリアルテックジャパンは、SAPをAWS上に導入・保守・運用するサービスでパートナーシップを締結している。サーバーワークスは、AWSに特化したシステムインテグレーターだ。アクセス制限、証跡取得を実現する独自のAWSコンソールや、AWSの利用料金を円建てに変換した請求書で清算できる課金代行サービス、Amazon VPCの運用サービス、バックアップサービスなどを提供している。
また、別ブースではあったが、伊藤忠テクノソリューションズもAWSの構築・運用サービスとして「CUVIC on AWS」を紹介していた。
日本マイクロソフトのブースでは、Windows 8やWindows Intuneといったクライアント技術から、Windows Server 2012、Windows Azure、System Center 2012といったインフラ技術まで幅広いソリューションを展示していた。
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