GoogleのIaaS参入でクラウド価格が上がる説と下がる説IaaS業界の再編が注目される

既に飽和状態のIaaS市場に新たに参入してきた「Google Compute Engine」(GCE)。このビッグプレーヤーの参入によって、利益を出せるのはどのIaaS事業者になるのだろうか。

2013年07月10日 08時00分 公開
[Mark Eisenberg,TechTarget]

 2013年3月初めに米カリフォルニア州で開催されたカンファレンス「Cloud Connect」において、「米Googleは大手クラウドサービス事業者の英雄と呼ぶのにふさわしい企業か」という質問が出たとき、参加していたパネリストの専門家たちは、「Google自身がそう呼ばれることを望んでいればだが、Googleは間違いなくクラウドのビッグプレーヤーである」という点で全員意見が一致した。しかしそもそも、Googleがクラウドサービス事業に乗り出すことは、市場にとってどのような意味があるのか。さらに重要なのは、クラウドのユーザーにとってのGoogle参入の意義だ。

 Googleが提供するIaaS(Infrastructure as a Service)に注目すると、このインターネット界の巨人は確かに大規模なデータセンターを所有し、その豊富なキャパシティーをGoogle Compute Engine(GCE)のために割いている。ただし、Googleがこの事業に参入するとすれば、大きな課題に直面する可能性が高い。アーキテクチャに関して公開されている情報からは、データセンターはもともとの主力事業であるインターネット検索を目的として構築されていることが分かる。Googleはこのデータセンターのキャパシティーを拡大して、インフラを活用してGmailなどのアプリケーションの提供にも参入してきた。

クラウド業界でのGoogle IaaSの意味とは

会員登録(無料)が必要です

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

新着ホワイトペーパー

市場調査・トレンド 日本アイ・ビー・エム株式会社

競争優位性を確保するために取り組むべき「ハイブリッドバイデザイン」の全体像

ハイブリッドクラウド環境は、多くの組織でハイブリッドバイデフォルトとして構築されてきた。しかし、この無秩序な環境が、サイロ化や混沌を招いている。今必要なのは、戦略的にハイブリッドクラウド環境を構築することだ。

製品資料 日本アイ・ビー・エム株式会社

生成AI時代のハイブリッドクラウド、価値を最大化するためのアプローチとは?

ハイブリッドクラウドと生成AIはDX推進のけん引役とみられているが、ある調査では成功企業が25%にとどまるという結果も出ている。その主な原因が、クラウド導入に計画性がなく、戦略に一貫性がないことだ。どう改善すればよいのか。

製品資料 株式会社AIT

そのファイル転送で大丈夫? リスク・遅延・中断に悩まされない環境の作り方

大容量データの送受信には、通信遅延や帯域制限の課題がある。本資料では、高速で安全なデータ送信を実現できるファイル転送プラットフォームを紹介する。導入時に気になるポイントとともに、料金プランも分かりやすく解説している。

市場調査・トレンド アマゾン ウェブ サービス ジャパン 合同会社

基礎から分かる、Amazon Web ServicesでAPIを効果的に活用する方法

APIを活用することで多彩なシステムを手軽に構築することが可能になる。Amazon Web Services(AWS)を有効活用する上でも、APIをどう使っていくかが重要だ。本資料は、APIの基礎知識からAWSでAPIを効果的に活用する方法まで解説する。

技術文書・技術解説 Datadog Japan合同会社

AWS、GCP、Azureなどクラウドネイティブ環境における5つのセキュリティ強化策

Amazon Web Services(AWS)、Google Cloud Platform(GCP)、Microsoft Azureなどクラウドネイティブ環境のセキュリティを強化するには何をすればよいのか。ログの収集や分析を高度化するためのベストプラクティスを解説する。

アイティメディアからのお知らせ

From Informa TechTarget

なぜクラウド全盛の今「メインフレーム」が再び脚光を浴びるのか

なぜクラウド全盛の今「メインフレーム」が再び脚光を浴びるのか
メインフレームを支える人材の高齢化が進み、企業の基幹IT運用に大きなリスクが迫っている。一方で、メインフレームは再評価の時を迎えている。

ITmedia マーケティング新着記事

news017.png

「サイト内検索」&「ライブチャット」売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、サイト内検索ツールとライブチャットの国内売れ筋TOP5をそれぞれ紹介します。

news027.png

「ECプラットフォーム」売れ筋TOP10(2025年5月)
今週は、ECプラットフォーム製品(ECサイト構築ツール)の国内売れ筋TOP10を紹介します。

news023.png

「パーソナライゼーション」&「A/Bテスト」ツール売れ筋TOP5(2025年5月)
今週は、パーソナライゼーション製品と「A/Bテスト」ツールの国内売れ筋各TOP5を紹介し...