セキュリティ対策は「単純だからこそ難しい」
クラウドとモバイルがもたらしたリスクと進化――端末管理の今昔物語
従業員1人につき端末1台の時代から、会社支給のWindows端末、私物のスマートフォン、タブレットなど複数の端末を所有する時代になった。この変化に対応すべく、この10年間で端末管理ツールは目覚ましい進化を遂げた。
四方を壁に囲まれたオフィスの中で仕事をし、従業員が使うコンピューティング機器は1台だけで、建物の外に持ち出されることはなかった時代の端末管理は、かなりシンプルだった。基本的にユーザーのPCが特定の基準に従っていなければ、ユーザーにネットワークリソースへのアクセスを許可しないだけで済んだ。
しかし、従業員1人につき端末1台の時代は終わった。かつては会社支給の1台のWindows端末でデータやアプリケーションにアクセスしていたが、会社が所有しない端末の利用も進み、複数のOSが共存するややこしい状況になっている。今やユーザーは、会社支給のWindows端末、自宅にある私用のApple製品、スマートフォンやタブレットを併用している可能性がある。
そうなると、端末管理の進化は、実質的に従業員のワークスペース(デスクトップ、アプリケーション、データ)と、このワークスペースをサポートして管理するために開発されてきた、管理/セキュリティツール全般の進化の話になる。
「端末管理はこの10年間で目覚ましく進化してきた。そのため、ほとんどのIT管理者にとっては、従業員の端末に安全にデータを届けるためにさまざまな手段を整理する作業は不安を伴う仕事であり、そう感じるのも無理はない」と話すのは、米Venture Technologiesのジョン・リトル最高技術責任者(CTO)だ。
「全てが会社の資産だったころ、端末を管理することで情報も管理できた。情報は会社のサーバに保存され、どこかに持ち出されるということはなかった。新種の端末とクラウドアプリケーションの登場により、(知的財産が)会社の外に持ち出されるようになり、ようやく、そういった情報の漏えいを本気で食い止めなければならないことに気が付いた」(リトル氏)
従業員のワークスペースが変容するケースは、クラウド、ソーシャル、モバイルテクノロジーの普及によって、飛躍的に増えている。この抜本的な変化のために、IT担当者はデータを保護し、ファイアウォールを超えてサービスを提供する最適な方法を検討しなければならなくなった。
端末管理およびセキュリティシステムは、ソフトウェアまたは専用アプライアンスとして購入できる。IT担当者はこのようなシステムを使うことで、企業ネットワークへのアクセスを要求しているコンピューティング機器を検出、管理、制御できる。また、会社のポリシーに従わない端末を、さまざまなレベルでコントロールできる。
米IBMの「Tivoli Endpoint Manager」、米Novellの「ZENWorks Endpoint Protection Suite」、米LANDeskの「LANDesk Management Suite」などの端末管理システムには、自動パッチ管理、資産リポート、アプリケーション配布、OS移行ツールといったさまざまな機能が付属しているものもある。ただし、これらのツールは、特定の機能を超えた大きな目的のために使われる。
米Datalinkのデータセンターサービス担当ディレクターのケント・クリステンセン氏は、「ITの目的は、今も昔も、データのセキュリティを管理し、できる限り効率よく従業員にサービスを提供することだ」と語る。
「本当にそんな単純なことだが、本当に難しい」(クリステンセン氏)
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