Gartnerが2013年に公表したIaaSに関するMagic Quadrantによると、Amazon Web Services(AWS)は既に圧倒的リーダーとして突出した地位を築いている。一方で、競合サービスがAWSに付け入る隙は残されているのか。
米Amazon Web Services(以下、Amazon)が提供するクラウドサービス群「Amazon Web Services(以下、AWS)」は明らかに、IaaS(Infrastructure as a Service)市場を代表する存在となっている。Amazonの勢い、ビジョン、実績が突出しているために、米GartnerはクラウドのIaaSに関する最新の「Magic Quadrant」リポートで、Amazonと互角に渡り合える敵は現在ほとんどいないことを示すために、評価の基準を変更することを余儀なくされた。
「Amazonは、競合する多くのIaaSプロバイダーとは違い、市場が重視するのは仮想マシン(VM)のプロビジョニングがいかに速くできるかだけではないことを理解している」と話すのは、米調査会社Gartnerのリサーチ副社長でMagic Quadrantリポートの筆頭著者でもあるリディア・リョン氏だ。「一部のIaaSプロバイダーは『この市場はマネージドホスティング市場と似たようなもので、基盤のインフラのタイプが多少違う程度だ』という認識を持っていたようだ。しかしそんなプロバイダーは将来の見通しが甘かったということになる」と同氏は語る。
現在のクラウドのIaaS市場は、ネットワークやセキュリティのような確立された中核機能が求められ尊重される市場であり、新興のクラウド企業が顧客の支持を獲得できる可能性も、差別化機能の開発が成功につながる可能性もほとんどない。ただし、競合するIaaSプロバイダーも、サードパーティーの事業者と協力して自社クラウドのエコシステムを作り上げ、顧客の求めるものを先取りできれば、成功する可能性はあると、リョン氏は語る。
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