Windows XP移行で「VMware Horizon Mirage」が使える理由徹底解説! VMware Horizon Suiteの世界【第2回】

物理PCのイメージを統合管理する「VMware Horizon Mirage」は、クライアントPCの保護/修復、クライアントOSの移行など、多くの使い道があるソリューションだ。本稿ではWindows XPからWindows 7へのOS自動移行に焦点を当てて解説する。

2014年02月27日 08時00分 公開
[川本政文,双日システムズ]

VMware Horizon Mirageとは

 ヴイエムウェアは2012年5月、PCが持つパフォーマンスを生かしながら物理デスクトップのイメージ管理を集中化・簡素化するソリューション「Wanova Mirage」のプロバイダー米Wanovaを買収し、EUC(End User Computing)ソリューションの充実を図った。仮想化テクノロジーを中核に置くヴイエムウェアが、仮想化ではなく物理PCの管理をEUCソリューションの1コンポーネントに据え、「VMware Horizon Mirage」(以下、Mirage)を提供する格好となった。

 Mirageは、物理PCのイメージを統合管理するソリューションである。ユーザー任せになりがちなクライアントPCのデータバックアップを自動的に定期取得し、サーバ上で管理する。今回は、単なるバックアップソリューションにとどまらないMirageの大きな特徴と、その特徴によって実現するWindows XPからのOSの自動移行という活用法に焦点を当てて紹介していく。

 ヴイエムウェアは2013年3月に「VMware Horizon View」(以下、View)を提供開始するまで、VDI(Virtual Desktop Infrastructure)ソリューションとして「VMware View」を提供していた。データセンター内に全てのデータを格納し、データセンターから転送された画面を利用することで、手元のクライアントPCにはデータを残さずにセキュアなデスクトップ環境を提供するソリューションだ。

 だが、システム管理者の立場からEUCを充実させていくことを考えると、VDIだけではユーザーの要望を満たせないケースや、関連する課題があった。例えば、クライアントPCがオフラインの場合や、VDI環境では十分なパフォーマンスの出ないアプリケーションを実行したい場合などだ。Mirageは管理対象が物理PCなので、オフラインでも利用を継続することができ、物理PCの潤沢なリソースを利用できるため、パフォーマンスの課題も解決する。コスト面でもVDIはVDAライセンスが必要だったり、高額なストレージを準備したりと負担が大きいが、Mirageにはその心配がない。

 Mirageは、コストを抑えながらクライアントPCのBCP(事業継続計画)対策を一元管理できるソリューションだ。ヴイエムウェアはスイート製品である「VMware Horizon Suite」(以下、Horizon Suite)に、VDIとしてViewを、物理管理ソリューションとしてMirageを据えることでEUCの実現を目指す。なお、Mirageは、現時点でViewと一部連係しており、将来的には全ての連係が予定されている。Viewで管理される仮想デスクトップをMirageで保護し、オフラインではMirageによって一時的に利用を継続することで、BYOD(私物端末の業務利用)を実現する予定だ。ヴイエムウェアはHorizon SuiteによってシームレスなEUC環境を充実させていく方針だ。

Mirageの機能

 次にMirageの機能を紹介する。

イメージの統合管理

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